botsu
2018/08/27 19:27
K田一最強がOPに転生
たいとるまんま。六星さん。クロスオーバー。夢要素は薄い。
知らない人のために 夢主にあたる先生の説明(ネタバレたっぷり)
小田切進
冴えない高校教師。坊っちゃんカットの童顔27歳。恋人である生徒との関係が露呈して、生徒は転校し、許嫁と結婚してしまうことになる。
けじめをつけるため、彼女の結婚式に金田一くんたちと出席するが殺人事件に巻き込まれてしまい、本当に好きだった恋人を失う不幸な人
と思われていたが、実は彼こそ事件の犯人、本名・六星竜一。家族を皆殺しにされた母親の復讐心を受け継ぎ、家族を殺した村の住人、その子供に至るまでをすべて殺害したトンデモ殺人鬼。愛した女も関係のない人間も利用しまくったあげく殺す鬼畜っぷりや、母親に幼少期から生粋の暗殺者として育て上げられた(最後は練習台として自分を殺させた)という過去から、出てくる漫画を間違えた犯人と名高い。
(じっさいOPキャラと並べても見劣りしない過去)
※何故か今回にょた&若返り転生
※謎解き前、復讐完遂直前でやってきた
※本当に何でも寛大に許せる方向け
何故か、体は海に漂っていた。
状況について考えられる余裕があるはずもなく、必死に体を使い、ひとまず海面に顔を出すことに成功する。
髪の毛が張り付いて気持ち悪い。海水もだいぶ飲んでるな、こりゃ……水も冷たいし体力は奪われていく一方だ、情けない。ああどうしたものか。
波が高く、ばしゃばしゃ自分の顔に当たる。もうだめだ、このまま死ぬのか。いや、まだ死ぬわけにはいかねぇだろう。
「誰か……!」
俺が叫んだ丁度同じタイミングで甲高い声がする。
近くに、同じ状況に置かれた人間がいるのか? したのはか弱い女の声だったが、二人でならなんとかこの状況もなんとかなるかもしれない____
そこまで思い至って、“俺”は首を傾げる。聴こえた声は今、確かに一つだった。俺も声を出したのにも関わらず、俺とは似ても似つかぬソプラノしか聞こえなかったのだ。
そして、もう一つ気になる点がある。俺は体脂肪率が低いため、海水にも浮きにくいはずだが……なぜか、楽に海面に浮けることがわかった。
嫌な予感しかしない。俺はもう一度、海水が口に入らないように叫ぶ。
「誰か、」
それは町中で聞けば聞き惚れるほどの美しい声だった。いや、町中だろうが山の中だろうが海の中だろうが、色恋沙汰には全く無縁の思考を持つ俺でさえ、振り向いてしまうだろう柔らかな声。
……ま、それが、自分の声でなければの話だが。
そうなると、俺の疑問は無事解決した。高くなった自分の声に、胸にある2つの脂肪の塊。
なぜかは知らないが、どうやら俺は女になっちまったらしい。
いや、プラスに考えろ。体力は落ちているが、今の状況では体中脂肪が増えたおかげでずいぶん浮きやすくなっているためだいぶ楽だ。
とりあえず、俺は生き残る必要がある。まだ母から託された復讐を終えきれていないのだから。
そこで、ふと見上げた波の合間に一隻の船を見た。
商船か……? なぜか木造っぽいが。母と子供の頃勉強のため通った図書館でちらりと見たおとぎ話の海賊船のような出で立ちの船だと思った。
とにかく、ここで死ぬわけにはいかない。もう一度声を張り上げようとして、体制が崩れると顔が水についてしまう。だめだ、どうにかして____
体を勢いよく起こす。肩あたりまで掛かっていた毛布がぽろりと落ちた。自分に長い黒髪があることに驚きながらもつぶやく。生きていたんだ。
「目、覚ましたのか! ちょっと待ってろ、すぐに温かいものを用意させるからな!」
しかし声をかけられたことによってその思考はさえぎられた。
待て。なんだこれ。角の生えた帽子を被った何かが人間の言葉を話している。
もの言いたげな俺の様子になにかおもうところがあったのか、枕元まで戻ってくると俺がしゃべるのを待っているかのように視線を合わせる。
「……タヌキかな」
「トナカイだ!!」
小さな声で呟けば、その生き物はすぐにどこかに行って、すぐに白い器を両手で持って帰ってきた。
正直すぐにでも飲んでみたかったが、少しの警戒心が拭えず、とりあえず情報交換を図ろうと彼に話しかける。……人好みのする仮面を貼り付けることを忘れることなく。
「……ここは、どこかな?」
喉をついて出た声はあまりにも可憐で、自分がなぜか女になってしまっていることを再認識する。全く笑えねぇが、変な生き物ぐらい欺くことが専売特許である俺には声に似合う女を演じることは容易かった。
「ここはおれたちの船の中だ! お前こそあんなところで溺れててびっくりしたんだからな、サンジが甲板を通らなかったらお前、死んでたんだぞ。今だって顔色が良くないし、体温も少しは上がってるけど……」
「……ごめんなさい、……あんまり、よく覚えてなくて」
これは本当だ。困っているのも事実、でも感情は十割、いや、二十割増ぐらいにしておく。俺は感情の起伏が少ないし、それに感情豊かな人間方が好まれる傾向にあるとわかっているからだ。
わざとらしいと感じさせないほどの演技力があれば、ぜひお試しあれ。
「そうかー……お前、名前は?」
「おれ……いや、私の名前は……」
言いかけてやめた。偽名を名乗ったほうが好都合だろう。そもそも下の名前はどう考えても男の名で、今の自分にはふさわしいものではないからだ。
それに今自分のことを俺、と呼称しかけていた自分に嫌悪を隠せない。いや、今までむしろ自分は男だったのだが、滞りなくここでの生活をくぐり抜けるにはあまり良くはないし、今の性別や容姿を考えると……とにかく、一人称はしっかり“私”に矯正してついでに女性らしい振る舞いでも身につけるとして、今考えるべき名前の問題について思い巡らす。
何かないか……? 少なくとも次、上陸するまでは名乗る名前だから、あまり女っぽくなくユニセックスなほうが好ましい。さてどうしたものか、と考え込む“私”を不審に思ったのだろうか、もしかして、とトナカイが言う。
「……お前、記憶喪失なのか?」
恐る恐る、と言った表情でこちらを見上げる。
私はというと、その手があったかと内心ほくそ笑むとか弱い女の仮面をかぶるとこくりとうなずいた。
「チョッパー、任せっきりで、遅くなってわりぃな」
と、その時ぎい、と扉が開く。音の方へ視線を向ければ目があったのは金髪青目の男。しかし東京に時々すれ違う若い世代の男とは違って下品さを感じさせないどころかずいぶん上品で色も綺麗だ。
チョッパーと呼ばれたイキモノに視線を戻すと、こいつがさっき言ったサンジだ! と胸を張る。
「助けていただいて、どうもありがとうございます」
とりあえず命の恩人であることには変わりはないので頭を下げてみれば、反応が無いことに気がつく。……テンポ良く話したいところだったので顔をすぐに上げればタイミングよく手を掴まれて。
「驚いた、俺が助けたのは天界から舞い降りた天使だったのか…………いえ、申し遅れ大変失礼いたしました、俺の名前はサンジ、そうあなたをお守りするためにこの世に生まれ落ちた騎士、あなたのナイトです」
……まさか男に、こんなふうに口説かれる日が来るとは思っていなかった。ただでさえ寒いのに鳥肌が立つ。若干、いやかなり引き気味にそうですか、と短く答えるもその賛辞の言葉は止むことを知らない。
「悩ましげに揺れたその睫毛の先まで美しい……ああ、あなたの体調が早く良くなることをお祈りして、あなたの体を温めるスープを作ってみたのです。よろしければぜひ、艷やかな黒髪のマドモアゼル」
人の顔を見てよくポンポン歯の浮くような台詞が浮かぶものだ。
今の私はというと褒める気も失せ、眉毛が渦巻いているぐらいの感想しか浮かばないというのに。
とりあえず棒読みでありがとう、と礼をすれば困ったようにトナカイはずっと手持ち沙汰にしていた液体の入った器を差し出す。多分ちょうどいい温度だろ、熱かったらゴメンな、とまでいっていた。どれだけお人好しなんだ、ん? おトナカイ好し?
先程の言葉が頭から離れないが、スープとトナカイに罪はない。
「嬉しい……いただきますね」
“他人”の作ったご飯なんて初めてだ。スプーンを恐る恐る口に近づける。こくりとひとさじ分飲み込めば、じんわりと体の心からあたたまる。
今まで、味わったことのない。とにかく、感動した。
外食なんて食べたことがない。母が切り詰め、安いものでもたくさん食べさせてくれておかげで健康体でいられた。
しかし復讐しか考えないで日々を過ごした俺にとって料理は体を作るものであり、味わうものと言う概念があまりなかった。しかしこの今口に含んだスープは違う。これは舌を思い切り使って味わわなければならないものだ。
なんだか、生きていてよかった、生まれて初めて心から思ってこぼす。いつの間にか涙が頬を伝っている始末だ。くそ、笑えねぇ。ぐずぐず鼻を鳴らして泣きじゃくる俺に、トナカイと金髪の男が優しく言葉を投げかけてくれていた。
柄にもなく寝ぼけてんのか、そう思っておれは何度も目をこするが、波間に見える影は消えない。
一気に冷えた頭で、すぐに海に飛び込む。浮き輪をその手に掴ませようとするが、彼女の体はがくりとうなだれるばかりだ。
畜生。歯ぎしりをしながらもその体を必死に船の中に引きずり込む。ぼんやりとした船内の明かりに照らされて、じっとりと濡れた髪の毛の間から蒼白に顔が血の気を失っていた。
ためらわず、大きな声で船医の名前を呼ぶ。そして彼女をどうにか任せると、手っ取り早く体があたたまりそうなスープを朝飯の仕込みの片手間作るのだった。
作り終え、ゆっくりと扉を開く。あの顔色からしてまだ起きていないだろうと踏んでいたが起き上がっていたその姿に少しだけ安心する。
一歩近づいてみれば、少しだけ薄いピンク色に戻ったほっぺたがなんだかとても可愛らしく見えて。濡れて乱れていた髪の毛もタオルでふかれたあと整えられたのか毛先はあちこち向いていたがある程度綺麗になっていた。そのウェーブがかった艶のある黒髪はひと房すくってキスを落としたいくらい。その黒曜石のような瞳がこちらを向いたとき、俺の唇は勝手に動き出していた。
……一通り愛を囁いたあとの彼女の瞳は忘れられそうにねぇ。そんな冷たい視線でからっぽのありがとうをもらったのは初めてだった。
しかし、彼女がスープを口にした瞬間、その雰囲気は180度変わる。先程おれに向けていた表情は消え失せ、目を細めて微笑むその顔は誰でもわかる、「美味しい」と思ってくれている顔だ。料理人として心が温かくなる。
「生きててよかった」
ぽろり、雫と一緒にこぼしたその言葉の重みを知ると、おれはチョッパーと目を合わせる。彼女は白く儚いその四肢に何を背負っているのだろうか。
不躾だとは思ったし、実行には絶対に移さないだろうがそれを暴いてやりたいとまで思ったおれに何より驚いた。
俺は泣き止むまでただ彼女の背中に触れていた。
「……今どこにいるのですか」
「ここか? グランドラインの……あー、えっと……ナミに聞かなきゃ詳しいとこはわかんねぇな」
海、と聞いているのにも関わらず、海の名前が帰ってこない。太平洋とか、大西洋とかあるだろう。
もしかすると貿易航路の通称かもしれない。いつの時代だ。
「日本は近いですか?」
遠回しに聞くのはやめて、もう直球で聞いてみることにする。
「……日ノ本? ジャパン? 倭国? 大和?」
「……ワコク……もしかして、ワノ国か?」
ワノ国。この国はなぜかそう古風な呼び方で呼ばれているらしい。通りますか? と問えばかなり遠いんじゃなかったけ……などと漏らす。
遠いのか。だったらタダ乗りというのも少し気が引ける。まあもうこれきりの付き合いだろうが、この船の人間にはずいぶん助けられた。この厄介な自分をこれ以上乗せさせるわけには行かない。などと思うのもただの気まぐれなのだが。
「……いえ、やはり次の島までお願いします」
「宛はあるのかい?」
「記憶喪失なんだろお前!」
なぜか必死に止めてくる彼ら。やはりずいぶんお人好しだ、と思いつつにこりと微笑んでごまかす。
まあ金は母がやっていたように体を売れば問題ないだろう。ああ、女になればこんなにも手っ取り早く金が稼げるのか、と少し安心して笑みをこぼす。
ちなみに貞操観念などというものを求めないでほしい。私はつい先程までは男で、この先長く生きていくつもりはない。もともと決まっていた自分の生きる意味のためならなんだってやる男、それが自分なのだから。
「大丈夫です」
もともと嘘をついているともつゆ知らず、彼らは心配してくるけれどきちんと記憶はあるのだ。帰るべき場所も、私が生きる意味だって忘れちゃいない。自分は母の道具であり、役目を果たせば朽ち果てる、そのような存在なのだ。
「お前、無一文なんだろ?」
「その島で適当に体を売ればお金ぐらいなんとかなりますよ、貧乏ぐらしにはなれてますし」
人受けのする優しい笑顔を浮かべながら言う。
見た感じでは今の俺は母似の美人だ。軽くウェーブがかかった黒髪の。母も定職についていない頃はそうして俺に目一杯食わせてくれていたし、ボロアパートだったが寝るところも用意できていた。だから金が全く手に入らないなんてことはないだろう。
問題は男とそういう行為をするということだが、正直どうでもいい。適当に目をつぶって媚びてみれば金も手に入る。悪くない。
深く思考に沈んでいると、いきなり肩を掴まれ、手に持っていた食器がかちゃりと音を立てる。何事か、と見つめ返せばやけに真剣な目で語る。
「そんなことさせるくらいなら、おれは君を船から降ろしたくないよ」
しかしまぁ……めんどくせぇ。私が何したって関係ない。少しでもポジティブに考えてこの体を有効活用しようとしているのに。心底そう思って、ため息をつく。そういえばさっき目をハートにして口説かれたことを思い出してつぶやく。
「フェミニストってやつか……」
奴が見ているのは自分じゃない。女性という大まかなくくりに入る全員が好きなのだろう。もう元は男だとカミングアウトしたほうが楽か? そう思うが、すぐに思い直す。そうなるとなんだか洗いざらい俺の背負った宿命など、そこまで話さなくてはならなくなるケースになるかもしれない。
ああ、なんて面倒ごとに巻き込まれたんだ。
扉の方向を睨むが、そのトナカイは何も喋らない。
思わず素が出ていたが、髪をかきあげてごまかすとごちそうさま。食器を彼に託すことにした。
女の子に優しい彼と元男(自己肯定感皆無)の絡みが見たかっただけ。まわりを無意識にたらしこむことはあっても恋愛には絶対発展しない。どれだけイケメンでも全くキュンとしない。だって精神男だもの。こう見えてろくせいさんはチョッパーのビジュアルは割と気に入ってるのかも。
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