わたしの世界、

振り返れば、みんながいる。苦楽を共にし様々な障害を乗り越え、世界に光をもたらしたみんなが。
けれど……いつも冷酷で弱さを見せなくて、でも誰よりも愛に飢え、誰かの温もりを渇望していた男の子がいない。

いつも明るくて、でも少しだけ馬鹿な部分がある太陽のようなスタン。
お金にがめつかったけど、暖かったルーティ。
頼れる国王で、民からもわたし達からも信頼が篤かったウッドロウ。
弱虫で非力な自分を変えようと頑張ったフィリア。
記憶を失いながらもその性格を見失わなかったマリー。

どこかちぐはぐで噛み合わなかった仲間達。何も知らないで城から逃れてきたわたしを受け止めてくれた大事な人達。
きっと彼らは英雄としてこれから語り継がれていく。世界を救った英雄として。そして、首謀者であるヒューゴはもちろん、それに加担したバルックさん、イレーヌさん、レンブラントさん、リオンは史上最悪の“裏切り者”として糾弾されるだろう。

スタン達は必死に彼らが糾弾されないようにセインガルド王にかけあった。国王は難しい顔をし、側に控えていたドライデンさんも険しい顔をしていて、
ようやく重い口を開けて、何かを発しようとした王。けど、何を思ったのかわたしがそれを遮るかのように紡いでいた。


「やめなよ、みんな」


思いの外、その声はよく響き謁見の間にいた全員がわたしを見た。
その中でもみんなの目はどうして、なんで、という感情があり、何だか居心地が悪くなったわたしはわざと目線をそらし、言葉を続けたーー彼らに、向けて。


「確かにわたし達は、優しいヒューゴさんと、その人に乗り移ったミクトランを知ってる。マリアンさんというメイドを使って、リオンを脅して加担させたことも」

「なら……っ!!」

「ーーーでも」


彼らだってきっと分かっているはず。
ここで現実から目を背けちゃ、ダメなんだ。


「彼らのしたことによって、命を落とした人たちだっているんです」