夏油と2月3日のボツ話
※夏油誕生日のボツ話
※夏油一人でシてる描写有
ぱちりと目を覚ますと、体が浮腫んでいる様なぼやぼやとした感覚。頭の片隅で飲みすぎたなと一人反省会をしつつ身じろぐと真新しい質感のシーツが私の頬を撫でた。
「ん?」
このきちんとアイロンされた感じのシーツはどう考えても私の体に馴染んだ愛用のベッドのものではない。それからこの乾燥した空気の匂い。
寝ぼけた私の頭に五感が外の情報を嫌というほどに叩きつけてくるではないか。未だに目を閉じたままではあるけれどどうしよう、このまま目を開けたくない。耳を澄ますとエアコンの稼働音のほかにシャワーの水の音が少し離れたところから聞こえる。それはもう一人も同じ空間にいるということで、胃のあたりがキューっと小さくなった気がした。極め付けに目を開いてみればやはりホテルらしき空間。世界は無慈悲だ。
いやそんなこと言ってる場合か。待て待て待てヤバいどうしよう。ここまでに来るに至った経緯をどうにか手繰り寄せるものの、テンパりすぎてもはや記憶を引っ張り出す方法をど忘れしてしまっていた。
もはやこれ逃げた方がいいのでは!?そう思って体を起こした瞬間、ガチャリと聞こえた浴室からの音。完全に詰んだと判断した私はせめてものと近くにあった枕を被って全集中の防御のつもりでそちらを見た。
「……何、してるの?」
蛇が出るか鬼が出るかと待ち構える私の前に現れたのは何故かバスローブ姿の夏油。
「はっ、夏油!?」
「うん?」
「あぁあ…!良かった!全然知らない人と来ちゃったのかと思った…!」
ホントに良かったーと全身で安堵しながらベッドでごろ寝していたら、ベッドの隅が夏油が腰掛けた重みで沈む。
「本当に良かったのかい?」
「えっ何が?」
「私とセックスする約束、忘れてないよね?」
……間。するりと頬を撫でられて思考が行方不明になった。私と、セックスする、約束…?夏油と誰が?……いや、ここにいるの私しかいない…よね?
「……なーんてね。ほら、シャワー浴びておいで」
「あっ、ハイ…!」
バスタオルとかバスローブは全部浴室にあったよと教えられてそのまま隠れるようにして飛び込む。
下着…どうしよう。手洗いしてドライヤーで乾かせばいっか。下着をバスタブの隅に放り投げ、ひとまず頭を洗う。そしてこんな違うことを考えているときに限ってふと蘇るのが記憶というやつだ。そうだ、五条と硝子、夏油の三人で飲んでて…その後五条と硝子は急な仕事ってなって…。
「夏油なら優しく抱いてくれそうだよね」
「私でよければ試してみる?」
「わぁーいいのー?夢みたいだなぁ」
……うそだ。穴が入ったら入りたい。というかタイムマシンがあればあの酔っ払いぶん殴って目覚まさせたい。
居ても立っても居られずに慌てて髪を洗い直し、雑に体を拭いてバスローブを体に巻きつけて飛び出した。
「夏油!ごめん!!思い出した!」
「――ッ!?」
「えっ」
浴室から飛び出した私の視界に入っていたのはあの夏油が自分のソレを扱く姿。
「へ、なに、」
「……いくらなんでも早すぎないかい…?」
「ご……ごめん…?え、何、して…?」
「……あのね、好きな子とラブホで一晩はね、流石の私でもしんどいものなんだ」
先に一発抜いておこうと思ったのに。と少し余裕のなさそうな表情に心臓のあたりが苦しくなる。夏油の体の中心で聳り立つソレに目を奪われていると、バスローブを羽織り直した夏油が立ち上がりゆったりとした動作で近づいてきた。
「ご、ごめ」
「それとも何?してくれるの?セックス」
壁際に迫られ、ゆるくバスローブの合わせ目をくつろげられる。夏油の欲情した眼差しがあまりにも刺激が強すぎてそのまま目を晒さずにいたら私の臍の穴に生暖かくてつるりとした肉がぐっと押し当てられ、欲情した眼差しに下腹部が切なくなった。