かつての愛しい人
ジョディ先生が来て、彼が現れるのは時間の問題だとは思っていたけれど……まさか、巻き込まれるなんて……
同居人の阿笠博士が風邪をひいてしまい、引率を頼まれたようなものだった。
まさか、あの有名なバスジャックに遭うなんて
「嫌そうね阿部サン」
『哀……そう見える?』
「えぇ」
実際に嫌だと言いたい……
ジョディ先生が乗り込んできたのを確認して、その後に乗ってきた彼を見て、呼吸が止まった。
『秀一……』
誰にも聞こえなかったみたいで良かった……当の本人は、目を見開いた。
やっぱり、気がついたのかもしれない……前世と似たり寄ったりの私の顔に……
秀一は、何故か隣に座った。
そして、バスジャックに遭った……
やっぱり、バスジャック事件かと肩を落としたのは言うまでもない。
「騒ぐな!騒ぐとぶっ殺すぞ!!」
シーンとなる中、この先の展開を知るけれど、緊張してしまい、つい、秀一の服の袖を握ると、ポンポンと手を撫でられた。
不意の再会
((どうか気がつかないで))
((愛莉……ッ))
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