私には、恋人がいた……


でも、亡くなってしまったんだ……ひどいよ秀一さん……今でも、あなたを愛しているのになぜ?


「柩さん?」
『あ、沖矢さん……お買い物ですか?』
「はい。柩さんは……仕事帰りですか?」


苦笑して、そうだと告げると、温和に微笑まれて、つい、彼のことが頭をかすめてしまった……彼も私が仕事帰りに迎えに来てくれたから。


『沖矢さん……?』
「いえ、お疲れのようでしたので」


沖矢さんは、私の肩を撫でてから、優しく問いかけられて、胸がざわついた。



こうしてスキンシップされることに慣れていないから、逃げるように頭を下げ、沖矢さんから離れた……


「柩さん……好きです」
『あ、ごめんなさい』


好きなのは……あの人だけだ……


足早に去った後につぶやいた沖矢さんの言葉なんて知らない


「可愛いな……俺のMy honey?」



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