生き残るために、巨大ガラガラフルスイングをお見舞いしようとしたその時。

「月詠イクト!!」


鋭さの増した唯世の声が後ろからした。

思わず振り返ると、いつもの王子様然とした表情が崩れこちらを射殺さんばかりの視線で睨め付ける唯世がいた。


「まーた、お子様キングか…」

ウンザリしたように呟いた男――月詠イクトの声がなぜか息がかかるほどの耳元で聞こえる。

「へっ!?」

『ややたん!!』

なんとややは背後に忍び寄ってきた月詠イクトに気づかず、ホールディングされてしまったのだ。

こ、これは。


「なっ、何を!
結木さんから離れろ!!」

「ふーん。新ガーディアン、お前、結木ややって言うのか」


やばい。このまま連れ去られた挙句の生贄ルートが見えてきた。


「い、いやぁぁあっ、私美味しくない!生贄はイヤァァアッ」

『そ、そうっ早まるなーでちゅ!まだ何か交渉の余地はあるでちゅ!それにややたんは美味しくないでちゅーっ!!』


必死に抵抗していると、唯世がさらに表情を険しくする。


「いっ、いけにえっ!?おのれ月詠イクト、結木さんに何をするつもりだ!!」


『下劣な…。婦女暴行は死罪だぞ!!』


急激にヒートアップする戦場。


『そっちがなんか勝手に勘違いしてんだニャーッ!!』

「問答無用!ホーリークラウン!!」

唯世の持つロイヤルな杖が放つ金色の光に向かって月詠イクトはややを突き飛ばした。

「きゅっ、ぶっ!?」

ややはその金色の光に受け止められた。

顔面が痛い…。


そして、気がつくと月詠イクトはいなくなっていた。

「結木さん、大丈夫!?何もされてない!?」

心配そうに近寄ってくる唯世に、ややは今度こそ泣きながらタックルした。

「こわ、こわかったよおおお、生贄にされるかと思ったぁあ〜」

『びぇええ〜』

キャラチェンジをいつの間にかしてたみたいでぺぺちゃんも一緒に泣いてた。


その後は、しゃくりあげながら今回の経緯について説明し、イースターについての誤解をとかれ、唯世に家まで送ってもらった。


あの時、お使い中の唯世が偶然通りかかってくれなかったらどうなってたんだろうとか思うと怖い。

生贄にはされないかもだけど、×たまをガラクタよばわりしたり、こころのたまごを抜き取るような恐ろしい連中だし危険なのは間違いない。

警戒しておこうと心に留めた。







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