----
正義の名を掲げる組織
正義のため、己の欲望の為に動く人間が数多くいる。
だかそんな奴らも地下室のさらに下にまだ部署があることなど知らないだろう。
エレベーターと呼んでよいのかも怪しい移動手段で辿り着くのは…”未詳事件特別対策係”
私は警視庁公安部公安第五課、未詳事件特別対策係に所属する捜査官である。
--------
「げ、また餃子食ってる」
今日も今日とて餃子臭い職場にため息しか出ない。
なぜ餃子臭いのか。それは仕事をするための場所で周りの迷惑など構いもせずに餃子を食ってる奴がいるからだ。
コンクリートに覆われた地下には窓があるはずもなく
空気を入れ替えるにも小さな換気扇では
この強烈な餃子の匂いは取り切れない。
そんな私の苦痛を理解なんておかまいなしに
餃子を貪り食う味覚モンスター女は私の同僚である。
だらしないくせに事件解決には恐ろしく頭がキレるから意味わからん
「トーマ、それはもう餃子ではないしこの臭いはテロだ…食に対する冒涜だ…頼むからここで食うのはやめてくれ…お前のせいで餃子に対する拒絶反応がすごいんだよ食べたら吐きそうなくらいだし蕁麻疹出るぜこれ」
「苗字も食たべれば」
「お前人の話聞いてた?」
話通じねえなこいつ、事件以外ほんとにポンコツだなおい
餃子臭いこの職場は私を含め4人しかいない。
それもここの担当する事件の異質さゆえのことで、なんなら公安という大きな組織の中でも知っているものは限りなく少ない。
なぜなら未詳事件特別対策課、なんて名前がついているが
実態は”SPEC”と呼ばれる特殊能力による事件を担当しているからである
一般人はおろか警察内部でもSPECという能力について認知しているものはほぼいない。せいぜいおとぎ話とでも思っていることだろう。
SPECを持つ者のことをSPECホルダーと呼ぶ。
餃子を貪り食う”トーマ”こと当麻紗綾もSPECホルダーである
あんなナリしてるくせに持ってるSPECはえげつない。
4人しかいないこの部署では私とトーマ以外は普通の人間だ。
私のSPECは記憶、簡単に説明すると一度見たものは忘れないとかそういうやつ。ぶっちゃけこの部署にいるより普通に刑事してたほうが活躍する気がする。うん。異動したいこの餃子臭い職場から。