「冨岡様って今日、生誕の日だったりします?」
料理が比較的に得意な私は隠の仕事としてたまに柱邸での炊事を担当させて頂いてる。
指名での調理の依頼は有難いことによくあるが献立を指定されるのはこれが初めてで、きっと好物を頼まれたのだろう。それだけで特別な日という予想は出来た。
こくりと頷く冨岡様を見て、くすっと笑ってしまう。寡黙な為に少し勘違いされやすい所があるけど案外素直で可愛いらしい人なのだ。
「冨岡様の生誕、祝着至極に存じます」
「あぁ、ありがとう。」
「あのぉ…お料理作りすぎちゃったので私もご一緒してもいいですか?」
献立を見た時に生誕日だとピンときた私は一人でお祝いするのは寂しいだろうと思い立って夕餉を二人分用意した、冨岡様は私に心を許してくれてるのかなと思える時がある。だから断られないはず…!あと、柱の食事って豪華に作って良いからいつも食べたいなって思ってたんだよね!
「いいぞ、共に食事をしよう」
「やったー!有難う御座います、冨岡様!大好き!」
「…!!」
冨岡様との食事は楽しかった。
いや、食事中は黙々と食べていらっしゃったけど鮭大根を口に入れる度に凄い笑顔でそのころころと表情を変えるのが何とも可笑しくて何度も笑いそうになるのを堪えながら食事を終えた。
お茶を淹れて一息吐くが先程の冨岡様のお顔を思い出してしまう。また、鮭大根作ろうかな…その時は食事もご一緒したいな。ニヤける顔を抑えられない。
「この後は何かあるのか」
「?無いですよ、今日のお仕事はこれでお終いです」
「そうか、ならばこっちへ来い」
「へ?」
手を取られ立ち上がる、突然の行動に疑問に思ったまま連れてかれたのは明らかに冨岡様の“寝室”だ。突然連れて行かれたその場所に動揺が隠せない、あれ肩揉みも頼まれてた?
「こ、こここれは一体?か、肩揉みとかですか!?」
「お前は頼まれたら肩揉みもしているのか」
「そりゃ、柱に頼まれたらしますよ!」
「今後は俺に断れと言われたと言っていい」
「あの、全然状況についていけてません…!」
目が合う、焦っている私に冨岡様も疑問を浮かべている。言葉足らずだとは思っていたけど、これはあまりにも飛躍しすぎている。
「俺のことが好きなのだろう?」
「ええ!?いや、好きですけどそういう意味の好きとかじゃなくて、ん?私好きなんて言いました?」
「お前は“冨岡様大好き”と言った。」
『やったー!有難う御座います、冨岡様!大好き!』
あれかーーー!
大好きとは言ったけどそれは言葉の綾であって恋慕の大好きという意味ではない、いや…密かにはお慕いしていたけど柱と隠ではあまりにも身分差はあるし叶わぬ恋だとその実に花を咲かせようとはしなかった。
「俺達は両想いだ」
そんな、まさか。目を見開いて冨岡様を見る
どんどん近付いてくるそのお顔を避ける気になどはならなかった。
両想いだとしても展開早くない?
そうは思うが身体は正直でその日は冨岡様と甘い甘い一夜を過ごす事になった。
happy birthday giyuu !!
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痺莫