ーーー外は晴天、今日はよき日になるだろう!

「いよいよ、だね、」

晴天の空の下手をギュッと握り微笑み合う。

同僚と結婚、聞こえは良いが今まで色々あったな、
この性格故に隠し通すのは大変だった。それに加え生徒達の風紀や保護者のこと、彼女はとても悩んできたに違いない。
それでもこのよき日を迎えられた、それは名前の努力があってこそ。披露宴の会場も彼女の希望が色濃く入り名前好みになっていると思われる。
準備も大変だったろうに、そんな素振りも一切見せない彼女はやはり立派だ。


礼拝堂での挙式は問題無く終わり、今は披露宴の真っ最中。隣に座る名前は披露宴中ずっと笑っていて、その姿がとても幸せそうで嬉しくなる。
彼女が幸せなら、俺も幸せだ。
普段は化粧っ気のない名前も今日は綺麗に着飾り、本来なら妬けてしまいそうだが今日だけは全ての人に俺だけの名前を慢じたいぐらいだ。



ーーー「それではここで新郎新婦にある方達からのプレゼントがあります!」

ここで司会の布告がある、余興の番附はお露直しの後のはず。二人で首を傾げていると、ある映像が流れてきた。

それは、なんでもない名前の授業風景
楽しげに授業をしている、それは俺が好きになった彼女の姿…だが授業中に撮影をするとは感心しないな。
そうは思うがその映像に釘付けになる。
場面は変わり今度は俺の授業風景、騎馬戦をしたり黒板に向き合ったりこれもなんでもない授業風景だ。
よもやこれは生徒が撮った映像だな!
そしてまた名前の映像に切り替わる。
歩いている名前に生徒達が近付いて話しかけた、

『苗字センセー!煉獄先生のどこが好きになったんですか?』
『え、えー…うーん、言わなきゃ駄目?』
『言わなきゃ駄目でーす!』
『…真っ直ぐで、責任感があって、授業中に騎馬戦とかしちゃうとこかな?』

黄色い歓声とともにまた俺に映像が切り替わり、軽快で律動のとれたその映像に俺達は完全に見入っていた。

『煉獄先生!』
『なんだ!』
『苗字先生のどこが好きになったんですかー?』
『うむ、真面目で優しく明るいところだ!授業中の声が大きいのも良いな!』

確かに、このようなことを聞かれた気もする。
この後盛大に笑われたのも記憶に新しい

また映像が切り替わり今度は生徒達の雑談だった

『苗字先生も煉獄先生もお互いの授業のこと言ってるの面白いよな』
『授業の風景録画しちゃうー?』
『先生の結婚式で流してあげようよ!』
『ついでにー、突撃しちゃうー?』

映像内でいいねいいねー!との声が飛び交っている
会場内がザワつく、
ーーーよもや、まさか…
名前と目が合い、お互い信じられないような気持ちになる。

バンッと大きな音がなり、会場内の一番大きな扉が開いた。

「「「おめでとうーー!!」」」

そこには、今まで受け持ってきた数多くの生徒達がいる。在校生だけじゃなくて卒業生までもだ。
俺と名前は思わず席を立つと生徒達の前までゆっくりと近付いた、中心のいる竈門少年の手には大きな花束がある。

「煉獄先生、苗字先生、ご結婚おめでとう御座います!」

名前は大きな花束を渡されて、その目には涙が溜まっていた。

「ありっ、ありがとう…みんなっ!」
「俺からも礼を言わせてもらう、祝いに来てくれてありがとう!」

耐えきれないようで名前は大粒の涙をこぼすと女子生徒達がみんなで駆け寄る。

「苗字先生すっごく綺麗!」
「本当におめでとう!!」
「煉獄先生と結婚とか絶対幸せだよ!」

軽い抱擁を交わしながら名前は生徒達にお礼を伝えると俺のとなりにまた戻ってきた。
そんな彼女と手を繋ぎ嬉しさを分け合う。

「嬉しいね…煉獄くんっ」
「君ももう煉獄だろう」


生徒達の笑顔も、名前の涙も美しい。この美しい存在達を俺は生涯守り抜くのだと心に誓った。

ーーー外は晴天、今日はよき日だ!














re:はこ様
素敵なリクエスト有難う御座いました。
また、コメントで体調を気遣って頂き有難う御座います!夢小説も拝見して下さっていて嬉しい気持ちでいっぱいです!

生徒達のサプライズプレゼントという形にさせて頂きました、いかがだったでしょうか…?
煉獄先生は生徒に人気らしいので卒業生まで呼びました笑

楽しんで頂けたら幸いです!
これからも痺莫を宜しくお願い致します。





29: 在り在りと白


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痺莫