宝石で出来てるケイトのss/トレケイ
星降る夜に彼が教えてくれた事がある。ないしょだよ。悲しそうな声だった。砂糖に溶かしてとろとろになるまで煮詰めて、小さい瓶に入れてからリボンを巻いたような、吐きだしそうな甘いあの声で、悲しそうにそっと教えてくれた。「オレの目はね、偽物なんだ」
彼を覗き込むと、緑のまんまるがきらきらと星あかりに煌めいている。こんなに綺麗な緑は見た事が無い。確かに本物の目玉ではないのかもしれないと俺は素直に納得してしまった。
「ああ、宝石で出来てるのか」
俺の言葉に彼は笑う。緑の宝石が涙に濡れて、さらにきらきらと輝いた。
(もしくはあめ玉)
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