see sea she


 真っ赤に燃える太陽!
 白く輝くビーチ!
 青くて広い海!


「そして、なまっちろい身体の弁護士!」

「…って、僕のこと?」

「他に誰がいるのよう」

「なまっちろい……」


 この僕を指差して、ナマエちゃんがまぶしく笑った。
 可愛さ余って…、いや。
 こんなこと言われたって、憎めるわけなんてない。
 暑苦しい太陽の光と熱をこれでもかと乱反射させるみたいに、今日の彼女はまぶしい。
 このロケーションと、そして水着姿という格好がそうさせているのだが。
 ああ、眼福眼福。
 イヤラシイとか不潔とか何て言われたって構わない。
 水着の女の子が嫌いな男なんて居るはずないのだ。異議は認めない。

 僕がナマエちゃんの身体を頭のてっぺんから爪先まで見つめていると、同じように彼女からも全身を見回された。
 彼女が言ったように、僕は自慢できるような肉体美を持っているわけでもなく、インドア派のため色白で、「なまっちろい」と表現するにふさわしいスタイルだ。
 彼女の方こそ細いし白いけれど、女性的だし健康的だと思う。
 第一、男の場合と女の場合ではわけが違う。

「こんなことならもう少し鍛えておくんだったかなぁ…」

 僕らの周りではしゃいでいるカップルたちもよく見れば、男はこんがりと焼けた肌に程よくついた筋肉のワイルドな奴ばっかり。
 そしてその自慢のカレシの腕には女の子が嬉しそうに絡み付いているじゃないか。
 僕はどうなんだ!

「別に、何でもいーと思うけど」

「否!決めた、今日ここで身体つくる!」

「えぇ?」

「ひたすら泳ぐ!そして焼ける!」

「唐突に思い切ったとこ言うよね…。じゃあ、競泳しよっか。あのブイのとこまで」

 ナマエちゃんの指差す先には確かに黄色いブイがふよふよと浮かんでいる。
 波打ち際から何十メートルくらいあるのだろうか、目測でもよくわからないが、そう遠くないようにも思えた。
 第一、いくらなんでも女の子には負ける気がしなかった僕は、その提案をふたつ返事で承諾した。







 数分後。

 女の子の肩に必死に捕まって、陸まで引っ張ってもらっている可哀想な男の姿があった。
 まごうことなき、僕、成歩堂龍一だ。
 見事に足を攣って溺れかけ、ナマエちゃんの華麗な救助によって事なきを得た。
 ナマエちゃんは僕を肩に掴まらせて、平然とした顔でスイスイと泳いで陸に向かっていた。
 とんでもなく情けない。


「ほんとにナルホド君って、今をときめく草食系男子だよね」

「僕は君がいないと…だめみたいだ」

 肩越しに言う。
 貧弱で、草食系の名にふさわしい、情けないセリフ。
 それでもそれが僕の、精一杯の想いだ。
 僕はまだまだ君にふさわしくないかも知れない。
 うまく釣り合えていないかも知れない。
 でもそれを不満に思うわけでもなく、ただ、少しくらいは努力しようって気にはなるんだ。
 君と並んで、恥ずかしくないくらいには。



「そんなこと、とっくに知ってるって」

「ですよねー」





see sea she





 陸にあがったら、海の家でやきそばでも食べながらまた彼女の麗しい水着姿にでも見惚れていよう。
 今日のところは、そんな僕だけど勘弁してね。



・・・・・
thanx 1st anniversary!
紅蓮さんのセリフリクエスト
「僕は君がいないと・・・だめみたいだ」

SHORT
式日