01*僕に彼女ができたんです
事件はある日突然起こりました。
「カカシ先輩!事件です!!」
「はあ」
「なんっと…!!」
僕に彼女ができたんです
「へぇ、そりゃ大事件だな」
「そうでしょう!?仕事一筋、彼女イナイ歴=年齢の超奥手なこの僕に!ついに!」
「で、誰なの?」
「クルミさんです」
「いや…名前だけ言われても…」
「僕も名前以外よく知りません」
「はぁ?何それ。年齢や職業は?どこでどうやって知り合ったわけ?」
「たぶん見た目ハタチくらいです。えーと、飲食業って言ってたから、ウエイトレスさんとかだと思います。知り合ったのはつい先日、道端で唐突にお付き合いを申し込まれました」
「んー。総括すると、"得体の知れない女"ってことでいいか?」
「何てこと言うんですか先輩、クルミさんはすごくいい子です。カワイイし!慎ましいし!」
「いい子って…よく知らない相手に何をもってそう言い切れるのよ」
「彼女には病気のお母さんがいて、彼女一人で家計と治療費を捻出して養っているんですよ。それがいい子でなくて何だと言うんです」
「……知り合ってすぐの相手からそんなヘヴィーな打ち明け話されたの…?」
「泣ける話じゃないですか。いじらしいじゃないですか。
今度手術で五万両必要だと言うんで、僕はすぐに協力を申し出ましたよ」
「えっ…五万両、出してあげたの?」
「可愛い恋人のためですから」
「お前おかしいよ、どうかしてるよ。長年の独り身をこじらせちまったんだな…」
「そうですね、確かにおかしい。…僕に突然こんな幸運が舞い降りてくるなんて!前世での行いが相当良かったとしか思えない」
「そうじゃなくて。その女、完全に事故物件だって言ってるの」
「恋に落ちるのは事故に遭うようなものですからね」
事件ですか、事故ですか。
どっちだっていいじゃないですか
式日