02*デートそれは未知なる道


恋人ができてすることと言えば、取り敢えず一にも二にもデートだと思います。


「クルミさん、何処に行きたい?」

「あー。うーん。ショッピング?」

「何か買いたい物があるの?」

「見たいだけ、かな。ダメ?男の人ってウインドウショッピング嫌いだよね」

「僕はいいよ。行こうか。何処でもきみが好きなお店」

「じゃあ、◯◯◯と、××と、△▼△…あと◇◇◇」

「お店の名前?木ノ葉百貨店行けば全部あるかな」

「ブランド、知らない?」

「恥ずかしながら疎くてね」





デートそれは未知なる道






「結構歩き疲れたね」

「ごめんなさい、連れ回しちゃった」

「全然。気にしないで。……はは、アイスティー、そんなにガムシロップ入れるんだね」

「甘いのが好きだから。ここのパンケーキも大好きなの」

「へぇ、確かに美味しそうなホットケーキ」

「パンケーキよ」

「違うの?」

「違うの」

「何が違うの?」

「わかんない。わかんないけど、これはパンケーキ。いま流行ってるの」

「僕には未知の世界だなぁ」

「ヤマトさんて中々に世間ずれしてる」

「そうかな…もしかして僕ってつまらない?」

「ううん、あなたのそういうところが面白い」

「なら、よかった。
今日のデート、きみにとってつまらない思い出になってしまわないかって心配だった。…あのね、クルミさん、これ」

「…?」

「開けてみて」

「……バッグ…」

「最後のお店でずっと見てたよね、それ。余程気に入ったんだろうなって。さっききみがお手洗い行ってるときに買った」

「私に?」

「今日の思い出を形にしたいと思ったんだ」

「このバッグ、すごく、すごく、すごーく高いやつ…」

「僕も最初値札見てなくてびっくりした。女の子の物ってこんな高いの?って」

「ここのお店は特別すごくかなり超高いんですけど」

「そうなんだー」

「そうなんです」

「きみに凄く似合うと思う」

「……」

「使ってくれる?」

「…ねぇ、ヤマトさん」

「うん」

「大好きよ」




ガラスケース越し、ころころと変わる彼女の表情が愛しくて。
僕はその瞳の奥にある未知の世界に、触れてみたいと思ったんです。


式日