03*恋愛観なんて所詮他人事
無遠慮な部下には、彼女の良さはわからないのでしょう。
「ヤマト隊長。誰ですか、この派手でセンスの欠片もない女性は」
「サイ、何て失礼なことを…!ごめんクルミさん、口の悪い奴で。僕の班のメンバーなんだ」
「いいの、よく言われるから。メイクが合ってないのかしら」
「そうですね。水商売の女性みたいなメイクです」
「サイ、いい加減にしろよ。そんなことないよクルミさん。行こう、食事の予約に遅れる」
「あ、ちょっと待って。…サイ、君?」
「はい?」
「あなたは中忍?上忍?」
「…諸事情あって厳密にはどちらでも無いですが、便宜的には中忍扱いになってます」
「ふぅん…なんだ、そっか、中忍ね…」
「クルミさん…?」
「何でもないっ。行こう、ヤマトさん。あのね、ローストビーフがすごく美味しいお店なんだって。楽しみね」
恋愛観なんて所詮他人事
「えーっ、サイ、ヤマト隊長の彼女に会ったの!?」
「うん、たまたま道端で遭遇したんだけど」
「ねぇ、どんなだったどんなだった!?」
「一言で言うと趣味が悪い、かな」
「おまえの主観はいまいちアテになんねーってばよ、サイ」
「そうよね。私もナルトに同感!」
「感じは良かったよ、にこやかで。胡散臭い笑顔が印象的で」
「誉めてんだかけなしてんだかわかんねーってばよ」
「誉めてるよ」
「どこがよ!」
「どっちだっていいでしょ、ボクが何言ったって本人たちは幸せそうだったしね」
「まぁ、そりゃそうね…はぁー、いいなあ、ディナーデート」
「やっぱ一楽かな!」
「ばかねナルト、大人がデートに一楽なわけないでしょ」
「予約してるって言ってたからそれなりに高級なお店だと思うよ」
「ふーん」
「ヤマト隊長かなり彼女に入れ込んでるのね。私、この前流行りのアクセサリーとかファッション教えて欲しいって訊かれたもの。
プレゼントに、高級ディナーかぁ。
やっぱり暗部とか上忍クラスってかなり稼いでるわよね」
「サクラちゃん、金の話は下世話だってばよ…」
「うるっさいわねー」
「……ん?そうか、ボクもあの人に値踏みされてたって訳…」
「何か言った?サイ」
「いや、初対面でいきなり階級を訊いてくるような女性は要注意だなーと」
「?」
「?」
「きみたちみたいな純粋な人間は知らない方がいいよ」
美しさとかセンスとかそんな主観的なものにどれ程の意味があるだろう。
恋愛観を語るなら、肩書きや資産価値だって充分にだいじなファクターだと、僕は思います。
式日