04*この愛には誰も敵わない
先輩、どうして幸せは人を饒舌にさせるのでしょう。
「テンゾウお前なんか太った?」
「わかります?二キロ程なんですけど」
「らしく無いね」
「やー、ほら、あれ。幸せ太りってやつですかね!」
「彼女の手料理が美味しくて、ってこと?そりゃ結構なこった」
「いえ、あちこち話題のレストランに行ってるもんで。
見てくださいこのグルメ雑誌。片っ端から行ってみてるんですけど、美味しくて幸せ〜ってクルミさん喜んでくれるんですよ。
やー僕も彼氏冥利に尽きるっていうか!あ、彼氏って自分で言うとなんか照れ臭いですね!ハハハ!
ま、木ノ葉の忍たるもの、このくらいのグルメスポットは押さえておかなきゃ男がすたるってもんですよねぇ。
あ、そういえばカカシ先輩知ってます?パンケーキとホットケーキは別物なんですよ!」
「……」
「ちょっと無視しないでくださいよう、先輩」
「あ、すまん、聞いてなかった」
「ひどいですね。先輩が僕とクルミさんのデートスポットをどうしてもと言って聞きたがったから話したのに」
「えええ何かお前もう色々めんどくさい…」
この愛には誰も敵わない
「…とはいえ、やっぱり減量しないとマズいですね、そろそろ」
「そんなら尚更、ヘルシーな手料理でもご馳走になったらいいじゃない」
「手料理…ということは、僕の家か彼女の家で?」
「まーそうね」
「えっ…それは必然的に密室に二人きりということに…」
「何か問題でも?」
「…先輩」
「?」
「そ、その発想はありませんでした…!これはクルミさんとさらに距離を縮める大チャンス!」
「お互いの家行ったことなかったのかよ」
「そんなハレンチなこと僕に思い付くわけないじゃないですか。さすが先輩、発想がハレンチだ!ある種尊敬します!」
「頼むから尊敬しないで。そして帰らせてくれるか」
「えー、男同士で恋バナもいいじゃないですかたまには」
「お前キャラ崩壊甚だしいよ……かつてオレを殺そうとしてた暗部のテンゾウ君は何処へ行っちゃったんだろう…」
僕は一貫してこんな人間です。
だって、先輩がもし彼女に手を出そうものなら、殺意が湧くと思いますから。
式日