プチ01* 夕神迅




「どうしても必要だ。っつってんだろ」

「どうしたって無理です。と申し上げてます」

「職務上、必要なものだ。だから経費が降りるはずだ」

「ペットの鷹の止まり木なんて、職務関係ありません」

「おめぇさん...ギンをペット呼ばわりたぁいい度胸だ、斬られてぇか?」

「私はパワハラには屈しません。
そんなに必要というならば論理的な説明を求めます」

「いいだろう。まず大前提として、ギンを家に置いておく訳にゃいかねぇ。こいつはデリケートでな、餌は俺の手からでないと受け付けねぇのさ」

「...なるほど、鷹同伴出勤については理解しました」

「そこで当然、この執務室に止まり木が必要になるだろうが」

「今そうしているように、夕神検事の肩に乗っているのでは駄目なんですか?」

「駄目だ」

「何故です」

「その...か、肩が...凝るから、だ」

「.........」

「こう見えてさすがに何時間も乗せてると滅茶苦茶肩が凝る。
すると当然職務に支障をきたす。
したがってギンの止まり木は職務上不可欠というわけだ」

「......夕神さんて、意外と面白い方ですね」

「てめェやっぱり斬る」

「待って下さい夕神さん。至ってシンプルな解決方法があります」

「あァ?」

「作れば良いではないですか」


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「...やれやれ、何とか出来上がったな」

「何度、釘の代わりに手を打ったことか...」

「へっ、不器用だなァ。最近の若い女はトンカチも扱えねぇのかい」

「普通です。というか完全に職務を逸脱してますし」

「そう言うな、ほら、ギンも喜んでらァ」

「あ、乗ってくれましたね。ギンさん、如何ですか?」

「クェェ」

「そうですか、それは良かったです」

「クェ、クェ、クェ」

「いえいえ御礼には及びません」

「クェッ」

「どういたしまして、恐れ入ります」

「......」

「夕神さん、何か突っ込んでくれないと私、鳥と会話するヤバい人みたいじゃないですか」

「...いや...ギンがなついたみてぇで些か驚いてる...」

「ギンさん、私たち、仲良くなれそうですね」

「............」





―なんだか妬けるのは、どちらに対して?



式日