焦凍と喧嘩をしたことがないと言うと、みんなに納得される。そして、それを勝手に賛辞だと受け止めてきてしまった。焦凍を優しいと褒められれば嬉しくて、本当に仲がいいと言われたら誇らしくて、私たちはずっとこのままでいようと思った。
喧嘩をしないこと、それがいつしか喧嘩にさせないことに変わって、気がついたら喧嘩をしてはいけないという自分で自分にかけた呪いで雁字搦めで動けなくなっていた。
焦凍と付き合って三年、私たちはまだ喧嘩というものをしていない。




「痛たた……」

背負っていた鞄を下ろすと、背中に鋭い痛みが走る。家主はまだ帰宅していないリビング。部屋の隅に置かれた全身鏡はこの半同棲のような生活を始めたときに、私が不便だからと頼んで一緒に買いに行ったものだ。
そこに映る自分の姿に思わず苦笑が漏れる。腕も脚もグルグルと包帯を巻かれ、頬にも大きなガーゼが貼り付けられている。自分のことながらあまりに痛々しい。帰宅途中にジロジロと他人の視線を集めるのも納得する。

一週間に及んだチームアップでの密売組織の摘発任務。入念な下準備をしたわりに最終的には武力行使全開の殴り合いで、それでもなんとか無事に全ヴィランの確保と密輸された武器や薬の回収に成功した。
その代償がこの傷だらけの有様なわけだ。思い返せば、予定外の状況下で私が相対せざるを得なかったヴィランが相性最悪だったとか、事前情報よりも多いヴィランの数のせいで他のヒーローたちも手一杯で互いにフォローし合う余裕もなかったとか、反省点は山のように浮かんでくる。

プロヒーローとなって三年、そろそろ若手と呼ばれる時期も過ぎようとしている。もっと強くなっていかないといけない。負った傷の数だけ強くなれるなんて妄言は吐く気もなく、傷は傷として受け止める。それでも、近接戦は苦手とする私が一人であの場を乗り切れたのは成長と呼んでもいいだろう。

「……焦凍、早く帰ってこないかなぁ」

いつもならこういう大きな仕事のあと、特に今日みたいに怪我をしたようなときには自分の家に帰るようにしている。
それなのにこうして真っ直ぐに焦凍の部屋へと帰ってきたのは、今回の仕事が少し長かったので久しぶりに一週間も顔を合わせておらず寂しかったから、というのもあるけれど、それ以上に見なければいいのに見てしまったニュースのせいだ。

三日前、まさに私が密輸取引の詳細な日程や相手の人数構成などを調べるべく駆けずり回っていた時、世間を賑わせていたのは人気ヒーローショートの熱愛についてだった。相手は新進気鋭のルーキー女性ヒーローで、その実力はもちろんのこと、整った容姿も相まってデビューしてからずっと何かと話題になっているのをよく目にしていた。
そんな注目のふたりの熱愛なんて世間は喜んで飛びつくに決まっている。街を歩けばあちこちで耳にするショートと相手のヒーローの名前、息抜きに開いたネットでだって気を抜けば飛び込んでくるのは私服姿の二人が並んで歩く件の写真だ。

世間からの注目度もあって焦凍のこうした報道は初めてではなかった。そのたびに焦凍は誤解だと真摯に説明してくれて、私もちゃんとその言葉を信じてきた。今回だって焦凍のことを疑っているわけじゃない。それに、あの女性ヒーローと同じ現場になったという話はもともと焦凍から聞いたことがあった。この写真はその時の仕事後の様子を切り取られたものなんだろう。

それでも、信じていることと不安にならないということは同義ではない。特に同業のヒーローとの報道はこれが初めてで、私たちの関係を知るはずもない誰かが「お似合いだ」と口にするたびに心が抉れるように削られた。そして何より悔しいのは、私自身もその言葉に同意してしまいそうになることだった。

広範囲での後方支援を得意として。複数人と連携して戦うことを前提とした私とは違い、近接での戦闘をメインに一人で先陣を切っていく彼女の戦い方は強いだけでなく華がある。
私とは違う、繰り返すように心の中でそう呟けば、ただでさえ痛い身体中の傷口がさらに鈍く痛む気がする。

私がこうして焦凍と恋人でいることができるのは、ひとえに高校時代の同級生というアドバンテージゆえに他ならない。ヒーローを目指す上での成長過程。そんな心身共に大事な時期を隣で過ごすことが出来たこと。そして何より一度だって大きな諍いをしたことがないこと。私たちの愛情はそうやって結び付けられている。
だから、こんなふうに少し荒んでしまった心だって顔を見て、今日は疲れたから出前でもとって、お互いの話を聞いて、同じベッドで眠りにつけば簡単に元通りになれる。

そんなことを日暮れと共に薄暗くなってきた室内で膝を抱えながら考えていたら玄関からガチャンと物音が聞こえた。ここに来ていることは連絡をいれていたので「ただいま」と私に向けられた焦凍の声。

「おかえりー、お疲れさま」

嬉しくなってリビングから顔を出せば、私の顔を見た焦凍の瞳が大きく見開かれて固まった。

「焦凍?」
「……なんだよ、その怪我」
「あっ、ちょっとね。見た目は大袈裟だけど、傷の数が多いだけでひとつひとつはそこまでじゃないから大丈夫」

そういえば、こんなに怪我だらけの姿を見せるのは学生のとき以来かもしれない。改めて自分のボロボロの姿を思い返したら恥ずかしくなってきて、それを隠すようにへらりと笑う。
そんな私を見た焦凍の表情はいっそう険しくなって、怒っているんだと思ったら頭の中でけたたましい警報が鳴り始める。

「大丈夫って、なんでそんなことになってんだよ。なまえはそんな怪我するような立ち回りじゃねぇだろ」
「そうなんだけど、思ってたより敵の数が多くてさ、すり抜けてきたのを何人か私が相手しないといけなくなっちゃって……あっ、でもちゃんと倒せたんだよ! この怪我だって今までだったら内臓くらいまで持ってかれてたけど数針縫うくらいで済んだし、成長だよね」

わざと明るく振る舞った声もから回っているのが分かってしまう。いつもなら穏便にこの場をおさめることが出来る言葉がすぐに浮かぶのに、ここ数日の出来事で疲労した脳が上手く働いていないみたいだ。

「そんな状況になってる時点で成長じゃねぇだろ。実戦で学ぶなんて言えんのは学生の時までで、今はモロに命に関わんだぞ? もっと気をつけろよ」

突き放すような冷たい声。ぎゅっと手のひらを握りしめる。焦凍の言っていることは何も間違いじゃない。同じことを一人で散々反省してきた。今思えばもっと上手くやれたところがいくつもあった。
それでも、私はただ焦凍から「頑張ったな」のその一言が欲しかった。
だけど、そんなの私の甘えだ。焦凍は私を心配してこうして怒っている。だから、私は今から謝罪とお礼の言葉を言って、これからは気をつけるねと微笑まなくてはいけない。そうしないと喧嘩になってしまう。
そうと分かっているのに、どうしても思っているように唇を動かせない。

「……焦凍じゃないんだから、そんなに上手く出来ないよ。あっ、それとも今比べたのはあの子だった?」
「あの子って……」

何のことかと分からないと言うように眉をひそめた焦凍が、今世間を賑わせている自分の報道のことに思い至ったのかわずかに呆れたような表情に変わる。

「なんでその話になるんだよ。あんなのいつものゴシップだろ。それに、そのときの話ならなまえにもしたじゃねぇか」
「いつもって、それがおかしいとは思わないの? 他人が好き勝手言ってることならしょうがないって、私には傷つく権利もないの?」

明らかな棘を含んだ自分の声にはっと我に返ったときにはもう遅くて、焦凍は形の整ったオッドアイの瞳を丸くして私のことを見つめている。

「あっ……ごめん、違うの、こんなこと言うつもりじゃなくて……ほんと、何言ってんだろ。ごめんね、気にしないで、ちょっと疲れてるみたい」

零してしまった言葉を何とか取り繕おうとして喋れば喋るほどに取り返しがつかないことを思い知らされる。小さく唇を噛んでからリビングに戻って、帰ってきたきり置いたままだった鞄を掴む。

「おい、なまえ」
「ごめん、ちょっと冷静になりたい。今日はやっぱり家に帰るね」
「何言ってんだ、それは違うだろ」

私の後を追ってリビングに入り、道を塞ぐようにして立っていた焦凍の隣を通り過ぎようすると、怪我をしている腕を掴まれた。引き留めようとしただけでわざとじゃないとは分かっていても、思わず痛みに顔を歪めてしまって、それに気づいた焦凍が焦ったように手を放した。

「わりぃ、大丈夫か」

私の顔を焦凍が覗き込もうとした時、見計らったかのように着信を知らせる音が鳴り響いて、お互いほとんど反射的に自分のスマホを確認する。私の手の中のいつもと変わらぬロック画面。だから、この着信は焦凍のものだ。そして表情から察するに事務所からだろう。
だから、ずるい私はその隙をついて部屋を出る。
だって、焦凍はヒーローだから、その連絡を無視できない。そう、私たちはヒーローだ。つまり、一緒にいることで互いのパフォーマンスを保てなくなるなんて許されない。だから、今日までずっと気をつけてきたのに、こんなにも簡単に崩してしまった。



もうすっかり慣れたマンションのエントランスを出て自宅への道を急ぐ。等間隔に並んだ街灯がまだ完全には暗くなりきれていない夜と混じりあって、不自然に空を明るくしている。
足を止めても焦凍が追って来ている気配はない。当たり前だ、あの様子だと緊急の呼び出しだろう。帰ってきて早々に不憫だなと思いながら、心の奥底には言いようのない虚しさばかりが降り積もっていく。

まるで私たちの関係はブレないようにひたすら真っ直ぐに積み上げてきた積み木の塔みたいだ。高さばかり積み上がって、だけど土台がないから不安定。少しの風で簡単に揺らいでしまう。そんな当たり前のことに、どうして今日まで気づくことも出来なかったんだろう。






△ ▼ △ ▼







家に戻るとどっと疲れが襲ってきて一度でも横になったら、もう起き上がることは出来ない確信があった。だから無理やりに身体を動かしてシャワーを浴びれば、傷だらけの身体に水が染みて何度も一人で悲鳴をあげた。

スキンケアをして髪を乾かすいつもルーティンに加わった包帯やガーゼを替える時間。テレビも何もついていない室内は静かで、今ここにいるのが一人だという事実を顕著に浮き彫りにしてくる。

どちらかの仕事が忙しいからとか、長期の遠征だからという理由以外で一人でこの部屋で過ごすのは随分と久しぶりだった。どうせどちらかの部屋にばかり行っているのだから、そろそろ同棲でもしようかって話をしたのは先月のことだった。
そのとき焦凍は「それなら結婚しちまった方がいいんじゃないか」って真面目な顔で口にして、それを聞きながら私は曖昧に笑ってやりすごした。本当はそれが本気なのか測りかねて、こんな普段の会話の延長線上でなんとなくプロポーズされるのは少し嫌だなと思ってしまったことを押し殺していた。

ああ、と呻き声にも近いため息を吐き出して天井を仰ぐ。今日のことは些細なきっかけに過ぎず、もうずっと積もりに積もった我慢も不満も限界だったのだと今さらながらに思い知る。
崩壊してしまった積み木の塔。散らばったガラクタの前で私は呆然と立ち尽くしている。もう一度すべてを集めて組み直そうにも、今もまだ真っ直ぐな塔の作り方しか知らない。

テーブルの上に放置していたスマホを手に取ってみても焦凍からの連絡は来ておらず、いつのまにか二十二時も過ぎているという時間の流れ以外に得たものはなかった。
焦凍へのあの連絡はきっと出動の要請で、帰宅したはずの彼をわざわざ呼び出すくらいだから相当手強いヴィランでも現れたのだろうか。たまたま焦凍の家が近かったからという理由ならいいと心配をしながら、ニュースを見ることもヒーローネットワークを確認することも出来ていない。

これからの私たちがどうなるのか。焦凍のことだからこのまま終わりとはならないだろう。ちゃんと話し合って、きっと仲直りをしようと試みてくれる。だけど、私はもう知ってしまった。必死に細心の注意を払って積み上げてきたものが崩れゆく呆気なさを。

もう一度ふたりで同じことを繰り返しても、迎える結末はあまりに想像に容易い。積み上げたその先にあるのは、例えようのない愛しさと終わりのない寂しさだった。それが幸福なことなのか、不幸なことなのか、私には分からない。

眠れるか分からないけど、さっさとベッドに入ってしまおうかと考えていたとき、静かな室内に玄関の方から物音が響いた。瞬時に、酔っ払って部屋を間違えた隣室の住人や強盗の可能性が頭をよぎり身構える。だけど、鍵をきちんと開けて入ってきたことと、慣れ親しんだ足音を聞けば考えられる答えは一つだった。

「……焦凍」

数時間前と変わらぬ私服姿でわずかに肩で息をする焦凍を見つめたまま、なんとか名前を口にする。呼吸を整えるように大きく息を吸いながら焦凍もまた私を見据え、その視線が私が握りしめたままのスマホに移るとわずかに表情が変わった。

「わりぃ、連絡する余裕、なかった」
「呼び出しだったんだよね?」
「ああ、終わらせてすぐ来た」

手のひらに汗が滲む。ちゃんと話し合わなくてはいけないと思っていたけど、まさかこんなにもすぐに焦凍と会うことになるとは思わず心の準備も何も出来ていない。
気の抜けたパジャマにすっぴんの自分の姿が部屋の隅の鏡に映って、なんだか急に惨めになる。

「なんで来たの? 冷静になりたいって言ったじゃん」

感情をうまくコントロールしきれず、苛立ちの滲んでしまう声。焦凍の前ではずっと明るく穏やかでいられるように努めてきた。焦凍のためではなくて、こんなぐちゃぐちゃな感情に溢れた惨めな姿を焦凍に見られたくないという自分のために。
それなのにまるで駄目だ。こんなの一番見て欲しくなかった、と思ったら不意に涙まで込み上げてきそうになって、せめてもの抵抗にぎゅっとまぶたを閉じる。

「なまえ」

思っていたよりもずっと優しい声音で呼ばれた自分の名前におそるおそる目を開ければ、側までやってきていた焦凍が私を見つめている。膝の上で強く握りしめていた手に、焦凍の手のひらが重ねられる。

「喧嘩しにきたんだ。だから、冷静になる必要なんてねぇ」
「え?」
「前に緑谷に言われた。俺たちが喧嘩したことねぇって話に、それで上手くいってるならいいけど、もしかしてなまえが無理したりしてないかって」

思いがけない名前が出てきたことに面食らいながらも、あの優しく芯のある級友の顔を思い出す。なんでそんなこと、と思うと同時に、彼ならそう考えもするだろうって腑に落ちる。だって、緑谷くんはそういう人だ。
私が緑谷くんと最後に会ったのは半年近く前になるけど、焦凍は飯田くんも交えてよく三人で会っているのは知っている。だけど、そんな話をしたことがあるとは思いもしなかった。

「それで、確かになまえが何が嫌だとかそういうのちゃんと聞いたことねぇなって思って……でも結局、後回しにしちまってた」

焦凍がそんなことを考えていたことも、まるで知らなかった。別に無理をしていたわけじゃないんだって言わなきゃいけないのに声にならなくて、涙を湛えた瞳を丸くしたまま焦凍を見つめ続ける。
重なったままの互いの手が同じ温度になることはなく、そんな当たり前のことにすら今は私たちが別の人間なんだってことを思い知らされる。どんなに一緒にいたって、私たちはひとつにはなりきれない。
それなのに、言葉を交わすことすらなく同じペースで歩き続けようとしていたなんて思い上がりにもほどがあった。するりするりと、絡まり続けた呪いが解けていく。

「だから、今からしよう、喧嘩」
「喧嘩って、しようって言ってするものじゃないよ。それにたぶん、私たちは今もう喧嘩してるんだよ」
「そうか、じゃあなまえの思っていること聞かせてくれ」

どことなく引き締まらない焦凍とのやりとりに思わず口元が緩んでしまう。喧嘩なんて言葉を前に不釣合いな気の抜けた表情に、焦凍は意外そうに少しだけ眉を上げた。

「私はただ、頑張ったなって言って欲しかったの」
「え?」
「焦凍とあの子の噂が立ってるの、すごい嫌だった」

あんなに皮肉じみてて苛立った声でしか言えなかった想いが、こんなにも簡単に口から零れていく。棘もなく、ただ流れ出すための真水のような自然さで。

「あれは本当に誤解で……」
「分かってる。分かってても嫌だって思うこともあるんだよ。それにこの怪我、たしかに結果だけ見たら私の未熟さだけど、それでも頑張ったんだよ。ヒーローとして、がもちろん大前提だけど、その裏で焦凍のためにもこんなとこで死ねないって思ってたの」

ヒーローとしてすべきことは学生時代から嫌という程に身体に叩き込んできた。一番に守るべきものが何かなんて考えるまでもなく身体が動く。それは決して無謀な自己犠牲ではなく、命を粗雑にしようとするのでもない。それでも、時としてヒーローだったが故に落としてしまう命があることも知っている。

「だから、ちゃんと帰ってきてえらいって、頑張ったって言って欲しかったんだよ」

そこまで言葉にしたら、瞳から涙が頬を伝って落ちていった。悲しいのではない。ただ、ひどく安心していた。
そんな私を見て焦凍はわずかに唇を震わせてから一度引き結び、またゆっくりと口を開いた。

「久しぶりになまえに会えるって浮かれてて、おまえの怪我見て驚いた。前線に出ないからって戦ってるのは変わりないのに、いつの間にかおまえは怪我なんてするはずないって思い込んでた。だからさっきはなまえが死んでた可能性だってあるんだってこと思い知って、怖くなって、あんな責めるようなこと言っちまった」

掠れた声で頷けば、焦凍の手に力が篭もる。

「頑張ったな。帰ってきてくれて、ありがとう」
「うん」

焦凍の瞳に、ヒーローコスチュームに身を包むこともなく、化粧すらしていないありのままの私が映る。焦凍の身体が一瞬大きく身動ぎして、何か思いとどまるように止まった。その挙動を不思議に思っていると、焦凍の瞳がわずかに俯く。

「……早く怪我治せよ。こういうときに抱きしめられないのは、少し、困る」

その言葉に一瞬呆けてから声を出して笑ってしまう。明日、雄英に行ってリカバリーガールに治してもらえることになっていると言ったら、今度はわかりやすくその瞳が輝いて、どうしようもないくらいの愛おしさが込み上げてくる。
お互いにこんなにもたくさんの想いを抱えていながら、どうしてあんなにも言葉にすることを怯えていたんだろう。

「緑谷くんは流石だね、お礼言っといてね」
「それなら今度三人で飯でも行こう」

握りしめたまま離されることのない手と手。お互いの体温。それらが混ざりあって、また新しい温度を作り上げていく。雁字搦めの呪いではなく、ふたりを繋ぐ愛を手に今度こそ倒れないふたりの塔を築き上げていけるだろう。






愛と臆病の呪いをかけた


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