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2023/11/04〜2023/11/05のWebオンリーで展示したSSです。
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清貧には程遠い
見廻りの帰りに通りかかったコンビニで肉まんを買う。副長がそれを半分に割るところ見るのが、私はたまらなく好きだ。
肉まんは、不恰好に六対四に割れた。
「ミスった」
副長は半分こをするとき、いつも決まってそう言いながら大きい方を私にくれる。食べようとしていたおせんべいを半分ねだったときも、差し入れのカップケーキを分けようと言ったときも。
毎度毎度こんなにきれいに不恰好な六対四を作れるほど、手先は器用なくせに。
だから私はいつも笑ってこう言うのだ。
「ほんと、へたくそ」
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女はどうしてこう、すぐにシェアをしたがるのだろう。日々化粧気なく刀を振りまわしているようなこいつでさえ例外でないとなると、もはやそういう生態なのかもしれない。
分けたものを、こいつはいつも心底幸せそうに食べる。ひとりで全部食べてくれたって構わないのに、でも、どうにも分けたがる。俺としては美味いものを分け合うよりも、その姿を少しでも長く独り占めできる方がよっぽどいいのだが。
だから、ささやかながら毎度歪な半分こをする。そうして大きい方を渡してやると、そんな俺の気持ちもつゆ知らず「ほんと、へたくそ」などとこいつは呑気に笑うのだ。