彼女はアリア。星竜の滅竜魔導士である。そして、栗色のネコは相棒のイロンだ。彼女たちは今、フィオーレ王国東方の街、マグノリアの駅にいた。
「久しぶりに来たけど、やっぱ良い街だったね〜」
「問題児集団はいるけどな」
「まーたそういうこと言う」
「事実だし」
「だとしても言わない方が身の為ってよく言うじゃん」
『おしっ!!!燃えてきたァ!!!!』
「……ビッ、クリしたぁ…」
「あの紋章…妖精の尻尾の奴らだ。アリア、ここから離れよう。あいつらのゴタゴタに巻き込まれる」
後方から聞こえてきた叫び声に振り向くと、巷で有名な魔導士ギルド、妖精の尻尾のメンバーが4人。大荷物を抱え列車に乗り込んでいた。よく新聞で彼らの所業が載っているのを目にしているからか、巻き込まれるのを懸念してイロンはなるべく離れた車両に乗ろうとアリアの腕をグイッと引っ張った。
「こんだけ離れれば大丈夫だろ」
「列車を壊すとかなければね」
「やっぱ次のやつにするか」
「もう発車しちゃったからそれはムリだよ」
「あいつらが大人しくしてますように」
そんな会話をしたのがほんの数駅前のことだ。順調に進んでいた列車はオニバスを通過して少し経った頃、けたたましい音と共に急停車した。
「うわッ!」
「イロン、大丈夫!?」
「なんとか…アリアは?」
「大丈夫。……何か嫌な予感がする。イロン、私ちょっと見てくるね!」
「俺も行く」
自分の感覚に従いアリアは未だ止まっている列車内を確認しながら前方に向かって歩いていた。特に変わった点は無さそうだ、と思った瞬間。衝撃音と共に誰かが壁を突き破りながら飛んできたのだ。