- 「トリックオアトリート」
明日は早起きしなきゃいけないからと、それぞれの部屋に戻ろうと言う時ちょっとした悪戯心で言った合言葉。ジェイドの格好を見ればお菓子を隠し持ってないのは分かる。
どんな反応をするかと思えば、わざとらしく眉を困らせてお菓子は持っていないと言う。自分の部屋の前なのだから取りに行けばいいのに「あいにく切らしている」の一点張り。
もしかしてとジト目で見上げれば愉快そうに見ていた。こちらがどんな悪戯をするのか楽しみで仕方ないといった様子に頭を抱えたくなる。
「お菓子が食べたいのに」
「かわいいゴーストさんには申し訳ないのですが、残念ながら持ち合わせがなくて」
熱い視線に顔を背けて考える。期待外れだと棘のある言葉を吐かれるかもしれないけれど意表は突けるかもしれない。
「そんなに近づいて、寮生がいつ通るとも分からない廊下で僕は何をされてしまうんでしょう」
ジェイドを部屋の扉に追いやり手をついてプレッシャーをかける。それでも期待の篭った目が癪で甘えるようにジェイドのお腹に頭を付けた。
「ねえ、ジェイド」
「なんでしょう…ッ、」
扉についていた手で腰を、反対の手で太ももをすうっと撫で上げ急いで自分の部屋まで走った。ジェイドの部屋から二つ離れた場所というのが良くなかった。隣の部屋だったら私の勝ちだったのに。
「かわいい悪戯をするゴーストさんにはとびきり甘いお菓子を差し上げますね」
部屋に引き摺り込まれキスされてベッドに入ったのは覚えている。次の日、気付いたら朝で何があったかわからないけど未遂に終わったようで何よりだった。
/ 今日の二人は何してる?より
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