- 青空を見上げながら考えた。今日の昼に食べようとしていたハンバーグランチ。こってりしたデミグラスソースの味を記憶の中で味わえば放課後の約束が頭を過る。他校との練習試合を見に来て欲しいとフロイド先輩に誘われた。いや、正しくは「来ねーなら試合に出ねー」だった気がする。先輩すみません。行けそうにないですと届きもしない謝罪をした。
頭の中が黄色い感情に支配される。私にとっての黄色は明るくてキラキラした幸せの色。どうせならこれからの幸せじゃなくて今までの幸せを思い出したかった。
たとえば先輩と一緒に過ごしたランチの思い出。今が昼前だからランチの思い出がまず浮かぶのは仕方ない。ああ、モストロで食べた先輩のまかないは美味しかったな…その前に食べたときは辛すぎて涙が止まらなかったけど、先輩はめちゃくちゃ笑ってたな。
最期に思い出すのがフロイド先輩の笑顔って、幸せかもしれない。できれば記憶の中の先輩じゃなくて本物の先輩に会いたかった。
「小エビちゃん!!!」
幻聴かと思った。空を飛べない私はグリムを抱えて箒に乗ってた。集中力が切れ暴走した拍子に振り落とされ、何百メートルだかわからない高さから空に投げ出された。着地まで随分長い間、黄色い思い出に浸っていた私の体が強い力でホールドされた。
フロイド先輩の鬼気迫る顔から目が離せない。地面に叩きつけられるのを回避できたのに死にそうだ。胸が痛くて苦しくて頼もしい先輩の腹にしがみついたら体に回された腕の力が強くなって、無事死にました。
/ 即興二次小説(15分)お題『黄色い計算』
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