もぞもぞと毛布の上から頭を出すと瞼の向こうが眩しい。まだまだ重たい瞼を薄く開けば、雑に閉じられた遮光カーテンの隙間から朝日が天気の良さを主張していた。
眩しい。だるい。起きたくない。再び毛布の中に潜るべく引っ張れば、端っこから顔が出てしまった。凪くんが風邪を引いちゃうと咄嗟に思い毛布を仰向けに寝る彼に掛け、その左腕を抱き枕のようにして二度寝チャレンジ。
「……」
眠れない。昨日は、というより今日になるまで夜のいちゃいちゃタイムが続いて疲れているのに、目が冴えてしまった。
仕方なく頭を出して静かに眠る凪くんの顔を眺める。いつも隠れてるおでこがちょっと見える。生え際だ。もみあげだ。眉毛だ。なんてまじまじと観察した。
だんだん落ち着いて来る。なんか、ほんと、凪くんのそばって落ち着く。枕にしていた凪くんの腕を退けて体に腕を回し、脇腹あたりに顔を埋めた。頬に当たるスウェット生地の感触が柔らかく感じるくらい、凪くんの匂いが好きだ。落ち着く。大好き。
*
腕に巻き付く温い感触に意識がぼんやり覚醒しだし、その温もりがすぐに彼女だって気付いてぽわぽわとあったかい気持ちになる。かわいい。抱き枕みたいにぎゅってしてくるじゃん、かわいい。
休みだし、このままごろごろすんのは決まりだけど二度寝出来るほどの眠気は残ってない。頭もだいぶスッキリしてしまった。
二度寝してるだろう彼女を起こさないようにしたいけど、手の届くところにスマホがない。仕方ないから目を閉じたままいることにすれば、どうしたって左腕に感じる温かさと柔らかさを感じてしまう。たとえ寝惚けてやったことだとしても、かわいい。昨日の夜もしがみついてきてかわいかった。あ、なんか、やばいかも。
「……?」
抱きつかれていた腕を押し退けられ、なんかその隙間に入ってきた。もしかして、起きてる?え、抱きついてきたんだけど、かわいい。ぎゅって、俺の体に回りきらない手がスウェットをぎゅって握ってくるの、本当にかわいい。
え、待って。俺の脚に、足絡めてきてない?これ、意識してやってるってことでいいよね。目を開けてチラッと左下を見れば頭頂部しか見えない。顔埋めてんの。起きてるなら、声かけてもいいかな。
「ねぇ、名前……名前……?」
ありゃ、反応ないってことは寝てるのか。寝ながらこんなことすんのは狡いだろ。じゃあ俺も好きにしよ。寝返り打って胸の辺りに頭が来るように抱きしめ、脚も彼女の体に絡めるように乗せた。
なんでこんなに柔らかくて優しいいい匂いがするんだろ。小さくて、ちょっと乱暴したら壊れそうなのに全然壊れないのもすごいよね。
てか、あーーー、やばいかも。幸せすぎて、かわいすぎて元気になってきちゃった。これ、起こしていいかな。だってもう朝だし、かわいいことして煽ってくる方が悪いでしょ。
怒られちゃうかも、でも許してくれるでしょと思いながら背中に回していた腕を寝相で乱れた服の中に滑り込ませた。
「ねぇ、名前……起きて。今日も俺といっぱいいちゃいちゃしよ……」
滑り込ませた手の指先が硬い留め具に触れた。