拝啓、春をしたためて




美しくも破滅はその先
騙しあう隣人たち
わたしの吐息に毛布をかけてくれるひと
手放せない夜をあつめて
噛み砕いて蒼穹

ねぇわたし死んだらきっと海になる 手向けの恋情はいらない きっとあなたのすきな青になる

孵化する楽園(負荷、腐化)

あなたを埋めた夜が恋しい
あと少し、手の届かなかった深海
ベッドの上での綺麗事は不用
朝焼けに証明された遺書
愛する代わりに酸性雨
重たくあった春
この夜にさよならを垂れ流す
いちにのさんしでラブシーンへひとっ飛び!
しあわせを鳴らす朝(成らす、慣らす)

だれかを着飾る有機物
データを同期する何?意味不明なんだけど
いつまでも縋っていたいのナイトメア
羅生門には咲かぬ骨
意味ある永劫と祈りながら
終わりまでの遠回り

まるで悲しんでるみたいに白んだ窓辺のレモングラスがしずかに気づかれず息づいていた ゆるやかな11月の午後 逃げ出したあなたが今もなおあたしとおなじシャンプーの匂いを纏って生きている そんな夢

春も届かぬ木洩れ日の下で
13月のしじまにて
あなたを知らないひとになる

時間がやがて薬になるなんて、いったい誰が言ったのか。死んでも会えない、此処にもいない。言えない言葉と癒えない隙間からこぼれてゆくものをすくい上げてくれるのは変わらず彼女であるべきと、膿んだ舌が今も痛む。

褪せた太腿
国籍不明の海
まばたき一つで恋に落ちる、まるでキスみたい
見苦しいのはあなたのしわざ
奇跡なんてものはそこらじゅうに転がっているらしい


ジューンブライドでよろしく


わたしを置いてゆくだけの喪失を抱き留めて
絶えど絶えど青色吐息

どうか首を絞めて
君のいない場所で息をする

わたしの身体の何処かにあなたと同じ色をした影を求めてる

たとえそこにあなたが存在せずとも、

遠い海へ行こう
呼吸の副作用
傷つけてもくれない酷いひと
この水槽では生きてゆけない

この赤い糸は誰かの臓腑に繋がる
永遠にて仕舞いにしましょう
涙と絲が途絶えたこたえ
覚めるべき瞬きに気づかずに

優秀な残響
フルールの鼓動を始めよう
死にたがりやの嘘つき
泣きだしたようにふるえる心臓があなたを求めている

たちの悪い寂しさに呪われるまで
モルヒネの海が終末を呼んでいる
ねぇ愛しのきみ、みたされないでいて

あまい流星雨
からまる寝息

ふりかえり、くりかえし、くりかえす

かさぶたになるまで育てます
しあわせに浸かる世界
亡霊たちが真白のそばで泣いている
出来もしないさよならが潰されてしまうまえに

そらみろ、まさしくメルヘンじゃないか

春に死ぬまで光合成
オレンジのかるかん

君は悲鳴すら甘い

おなかがいたくてぶくぶく
おむねがなくてしょんぼり
はなげがとびでてしんどい
あおのりついててむなしい

じゅわじゅわ、くしゅくしゅ

眼鏡を外すと美人とかいつの少女マンガ?
ピクルスがおうちにやってきた!
安眠が噛みつく線路
冬のネオンサイン
まってまっての三秒前


あなたの指先が拾うしあわせのひとつになれたなら



2016