こびりついて消えないのはあの日の残夢
しがみついて死ねないのはあなたの残烟
離れて戻らないのはさよならの残響
にらめっこしましょ、惚れたら負けよ、あっぷっぷ!
鳴り止まぬ鼓動は星屑の瞬きに似ている
うつくしい息づきの終わりに
あなたの居場所にわたしは行けない
跡形もない言葉にすがる日々
あなたを待っていたって言ってもいい?
青々しいまでの愛で囁いて
流星群はかなしみの夜を束ねる
あたくし、まだ消費期限は切れておりませんのでお早めに召し上がれ
生きるという呪いによってあなたはしあわせになってゆく
ここはあなたの檻の中
ここはわたしの檻の中
アンラッキーセブンをぜんぶちょうだい
明日を生きるための部屋へおかえり
そこは抱擁の箱庭
春跡(はるあと)
優しくなれない嘘になる
息を止めてもそこは楽園
あまいみつまであと3センチ
ふるえる深海魚は再生を求めて
凍える息をねめつけるほどに白く去り立つ背を追う虚しさよ
お前の泣き顔は人間かどうかも疑わしい
傷つけあう唇を溶かして
朔夜より愛を紡ぐとき
心の真ん中で息を殺すは落涙
猫を被る女の毛玉吐き
骨さえ拾えばハッピーエンド
まどろみを追いかけた春 青い青い酸素にあえぐ夏 ささやかなる静寂をたたえた秋 惨憺たる終わりを抱える冬 世界はそれを愛と呼びたがる
溺死の間に魔法をかけて
帰りたい海がある
見せかけ謀反の帰り道
そのうつくしい掌は罪を隠す
あおく流れる雨が背骨ごと溶かしてしまっても、君は「夢見が悪かった」とわらうのだ。あかに染まった花たちも、投げ出された大腿骨も脊髄も。そうだ、どうせすべてが悪い夢なのだ。雨は、まだ止まない。
かなしみに追随しないで生きていける
こうふくを期待しないで生きていける
もういなくなったあの人がすべて
春騎士の花事情
夏騎士の熱中症
秋騎士の獅子吼
冬騎士の三拍子
焼き切れない首輪を頂戴な
錚々たるオーギュストの屍骸
わたしの隣で心底幸せに死ね
あなたが施したスタートライン
あなたのいないゴールライン
愛さないでミッドナイト
食パンは大抵どれも美味しい
夜明けに居座る狂死
わたしがあなたを取り戻せないことと同じように、あなたにも消えないわたしの残像がどこか鮮明にあり続けますように。
降りそそぐ幸福の隣で
誰ひとり繋ぎ留めない世界
この白く鋭い雨がいずれ血肉になることを誰が知っていただろう
幼い喘ぎ
21gの深海
生きた天文学
なまぬるい毛皮に縋る
アインシュタインの乖離性戦略
いつかはこのあたたかい恋がどこかへ流れ着いてしまう
たとえば届かない想いがあったと仮定して
喪失の夜明けから脱皮
涙は腐って枯れてしまうんだ、それでもあなたがいないんだ
薄い舌
夜蛇
上手に逃げるための指輪
躾られた心臓
これからあなたを抱きしめるための理由をつける
2月31日の舞踏会
さよならが言えないあなたが見つからない
嘘と呼べるような嘘すら危ういあなたは、そうして静かにわたしに傷をつけてゆく
くすんだ真白なんて投げ捨てて
繭のなかの寝息
通りすがりの雨を隠すように
君を留める春の下
手のひらはいつも自由であること
孕むだけの清い性行
目覚めても餓えた花
愛してると眠る夜を君に