落下するたったひとつも救えずに


いっそ忘れてしまえたならこんな呼吸を止めることができたのに

息苦しさだけが恋だった、生き苦しさだけが愛だった

世界はいつも息絶える日々を待ち望んだ
夏だけが正しい心臓で繰り返されてゆく
待ち望んだ残響
かわいいダーリンの丸焼き
三つ編みさんの刺客
遺りゆく羅刹
ゆえに永遠とは死である

わたしがたたえた青さ、あなたが放棄した青さ
さらばオーディン、お前に世界は救えない

意味のないキスにも続きがほしい
無くした叫びは夜を泳いで
苦死み(くるしみ)
ラブコール常習犯

春の命日

繋がっていたい言葉
さよならのつもりの恋でした

ふたりで生きていきたいけれど、ふたりでは生きていけないと知った ふたりだけで生きていける世界などないのだとも知った

まぼろしを捨てて愛に触れてもいいですか

ハッピーエンドの痛みに埋もれて
365日では足りないロマンス
叶わないさびしさ
死に際には誰もいない
アダムとイヴは静謐に眠る
静かに腐り始める背徳
群青のままに生まれ変わる
思い出と言うには些か幼すぎた恋情
冷えた皮膚のしたに生きる後悔だけがきらきら輝いている

どうしたって届かない永遠に口づけを
舌と舌はお知り合い
今日も愛してるよクソビッチ
苦痛になるほど懸命に生きても報われないのがこの平和な国の特徴です
覚えたての産声
あなたの傍では迷子にもなれない
おとこはオオカミ、おんなはハイエナ

浅い海を植えた惑星
きみが獣と避ける熱情
あでやかな亡骸でいさせて
なにも縛れない赤い糸
この世で一番やさしい手を知っている
君の知る花とは一体なにを基準にして美しいのか

とおくいきるべきひと
えいえんがとおいひと
えんえんと嗤うひと

春までおいでよ恋心
通りすぎる花のにほひにあなたの骨を知る
胸に抱えて歩いてゆけるすべて
プラネタリウムのにおい
愛してはいけない永遠があったのだ
そうして宝石を齧るような夜を幾度となく繰りかえし、忘却を思い知る

柘榴を貪るように
頬からしたたる赤が一等美しく
手を、伸ばす
わたくしはあなたを彩る鮮血に足らない白であり
あなたはわたくしを濁す温度でありつづけている
手を、手を、

浮き世へ戻らん
雷鳴心中
われこそ瑕疵たる亡霊
召し上がれネイビーブルー
夜ふかし日和
やわらかい針をたずさえて
イフリート・ランデブー
稚拙を語る延命

躊躇いを映す様はまるで夜だった。踏み外した、とでも言うのか。すこしづつすこしづつ壊し綴る言葉を、ただ絵画のようにみつめてる。
のこされた意味が在ったとて、そこにあるのはあなたではないのだから。

死んだ謎
月の空白を形見にしてあげる
まぼろしで汚れる唇
流星を冠するのはあなただけ
海底から見上げた青を追って
ここから先はあなたがキスして
遺灰の温度もしんでゆく

ひとしきり甘い色遣い
決して分かり合えなかった重罪
わたしのようなうさぎでよければ
しおらしくおなりて
あなたまた花のはなしをするのね
死に物狂いたつ、されど夜より生きる


正解はだれも知らない、間違いだったと言われるまでは。