Agape
あなたのつめたさはきっとあたしをとかしてしまうのよ
君の空白を食べにいきます
やさしい溺死
真夏の刃
錆びつく聖域
それはわたしを殺す春だった
満ち足りた流星
確かにうつくしく染め抜いたあの日を忘れることはない、 逃げ出した夕日に涙することもない。きっとあなたを見つけられる、そう確信してる。
生命は絶望
わたしに騙されないでいてね
オデットの花冠
どこか彼に似た傷痕
なまやさしい永遠に抱かれるお前にこたえはない
時の残像
醒めぬものから愛を乞う
優しさを数える指先
いつか有終にて春をみる
完璧な出口
オディールと赤い悪魔
つくづくこの世界は美しいのできみを待つにはちょうどいい
食む喰む(はむはむ)
貴方が愛だと名付けて壊したもの
退化のあとの恋患い
何が為の融解
迫りくる青の衝動
ブルー・プラネット
むせかえるような希望をもつひと
生きるという強迫観念
恐らくお前は愛を知っていた
猶予はあの月が終わるまで
無知を孕む男娼
私たちの麗しき退化
水底の楽園
何れその青に溺死する
彼(か)の地獄で春をうたう
愛撫するように喰らう
影戻し
愛如きで世界が救われるわけがない
幸福論者の余白
鼓膜に焼きつく音色、手のひらから溢れる恋情、胸元で揺らめく後悔。思い返せばひとつひとつがあなたでした。
たわむれる夜
無情にもそれを奇跡とよぶ
いまわたしをころすもの
アダムの水葬
投影
ぜんぶぜんぶしあわせ
君自身はいないのに僕に永遠なんて残さないで
つめたい頸動脈
もうなにも知らなくていい
恐らくわたしは今日も死ねない
引き寄せた鼓動
そんなに欲しがらないの
いじわるな欲望
変色した幸福
汚染された群青
混沌の温床
ひとつ、あなたの体温をついばむ。ふたつ、あなたの声をむさぼる。みっつ、あなたの腕のなかで眠りに落ちる。
つまりは、顛末
解けない魔法を呪う
朝にも見つからない場所を歩いて
おすそわけの話
どうしても絶えない愛がある
死を縁取るもどかしさ
終わりがなくてもあなたは綺麗
奪いそこねた無邪気な寝息
愛してくれるならすべてを奪って
失うことはどんなことよりも簡単で実に痛みを伴うというのに、どうしてわたしたちはそれを忘れ幾度となく繰り返してしまうのだろう
春に生まれた夜は青い
ちちんぷいぷい、こっちへおいで
取り留めもない侵略
さよなら、躊躇いだらけの左心室
ヒトラーの角部屋
まぼろしは八月
無呼吸で無遠慮に感傷
体温ふたつでハッピーエンド
神様なんていらないベッドルーム
いつかなくなる残響、残滓
労働力低下の浴槽
花の傷痕
夜をあいするひと
ありきたりなパニーニ、反撃
真冬の葬儀は海上で
魚になれない水溶液
かわいいからだであたためて!
ずるいのは春のせい
祈りだけでは届かないうつくしさ
ロスタイムは海の底
日曜日のインスタント・ラヂオ
けしからん狼
獣の口実
わたしの手には傷も影も残らない。そこから見えるものは何だったのか。切望したものひとつひとつ忘れてはいなかった。こぼれる夕陽、夜の香り、わたしは誰にもなれない。
2016
▽