甘々荼毘に嫉妬して欲しい
かの有名なナンバーツーヒーローホークスが連合に入りたいらしい。そんな話を小耳に挟んで、そう言えば間近で見たことないなあって気になったもんだからちょっと会いに来た。
こんにちはって軽い挨拶と世間話。ヒーローでヴィランだなんてどんな捻くれ者かと思っていたけれど、何てことはない。底は知れないけど、案外普通のお喋りな男。コーヒーでもご馳走したくなるような人懐っこさがとっても可愛い。なんて微笑ましく話に華を咲かせていたら、腰を抱き寄せられた。後ろから。
「随分と楽しそうだなあ? 俺も混ぜろよ」
耳障りのいい声が鼓膜のすぐ傍で響く。一体どこから聞きつけて来たのか。別に隠すつもりもなかったけれど、せっかく一般人を装っていたのにこれじゃあ台無しだ。
お腹へ回された腕を溜息混じりに許容し、より近くなった温もりへ体重を預ける。目が点になっているホークスは「ええっと」と声をあげた。
「連合さん?」
「ああ」
私が口を開く一歩手前。どうしてか代わりに返事をした荼毘が頭上で笑う。
「俺の」
ああもう。恥ずかしいからそういうのやめてって何回言えば分かるのかなあこの人は。
※夢BOXより【甘々な荼毘に嫉妬して欲しい】
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