微睡みプロンプト
なまえ。
……あ?寝てんのか?
オイコラなまえ。
ふわふわとした微睡みの中、愛しい人の声がする。
わずかに沈んだベットが小さく音を立て、重力に任せた私の体が傾いた。あたたかい。彼がいるこの空間も、ベランダから射し込む日差しも。だからきっと、大好きな彼が呼んでいるのに、私の瞼は開かないのだ。
ギシ、とスプリングが軋む。
鼻腔をくすぐるほんのり甘い香りが濃くなって、かすかな呼吸が肌を滑る。そのまま静止した空気の心地良さに、自身の頬が緩んでいけば、ふ、と彼が笑った気がした。
「なに狸寝入りしてやがんだ」
大気が揺れて、軽いリップ音とともに、カサついた感触が唇を覆う。
恥ずかしさに火照る体がこそばゆくて、ゆっくり瞼を押し上げれば、瞳を細めて悪戯に笑う爆豪くんがいた。