輝きつづけた恋でした

突然、なんの前触れもなく肩を叩かれたのは、ショーウィンドウの中に飾られた、目が痛くなるくらい派手なブランドものの服を眺めていたときだった。
怪訝に思いながらゆっくりと後ろを振り返ると、どこか見覚えのある男の子が、にこにこと微笑みながら立っていた。
一瞬、私は遠い記憶を遡る。放課後の教室、室内をオレンジ色に染め上げる斜陽。微笑みながら立っている男の子。
中学の時に同じクラスだった不二周助くん。彼に会うのは2年振りで、私が中学2年の秋に転校して以来だった。

「久し振りだね。2年振り、だっけ?」

私はゆっくりと頷いた。2年前よりも、随分と短くなった髪が視界に揺れる。

「て言うか、不二くん、よく私だってわかったね。髪切ったのに」
「ああ、うん。きっとなまえじゃないかなって」
「でも、よく声かける気になったじゃん。もし間違ってたらどうするの?」
「間違えないよ」

苦笑しながらの私の問いに、彼はそう言い切った。絶対に正解だと解っている答えを口にするときのような力強さで。その言葉の強さに、私はびっくりして目を見開く。

「間違えないよ」

さっきよりも、ずっとやわらかな口調で、さっきと同じ言葉を繰り返す。不二くんの目は綺麗な青をしている。
また一瞬、私は記憶を遡る。教室。斜陽。いま、私の目の前にある微笑みと同じものを湛える男の子。
だって、ずっと見ていたんだから。そっと私の手を取って、不二くんは緩やかに目を細めた。



Short TOP