君をあかるいほうに連れてゆく

敗けてしまった。
抜けるように青い空を見つめながら、私は涙を零した。目の端から流れるそれは、私の血と同じように生微温い。
起き上がろうとしてみたけれど、痛みのせいでそれができない。辛うじて動く右腕で視界を遮る。喉の奥で嗚咽が始まると、それに合わせるように涙がぼたぼたと零れ落ちた。
自分の不甲斐なさと脆弱に、私はもう死んでしまいたいとさえ思った。ここでは、弱いことは罪でしかない。
あの方は私に何もかも与えてくれたのに、私はあの方を守ることすら叶わない。

「止めを」

私の頭の横に立っている、眩しいまでの黄色に向かって呟いた。

「あなたが見逃したとしても、結果は変わらない」

彼からの返事はない。何故だかわからないけれど、私は笑いたくなってしまう。もしかしたら、死ぬことを望んでも、自分でそれが出来ない無様さの所為かも知れない。

「断る」
「何故? 見逃す義理はないでしょう」
「殺してやる義理もねーよ」

今度こそ笑ってしまった。ひとしきり笑ったあとにはもう、軽い絶望しか残っていなかった。

「あの方は、私を許してはくれない」
「だったらオレが許すように言ってきてやるよ」

それまで死ぬんじゃねーぞ、彼はそう言い残すと仲間と一緒にあの方の待つ場所へと行ってしまった。
余計なことをと思う自分と、それとは正反対の感情を持つ自分がいることも事実で。急に静かになった空間に、私の嗚咽だけが反響を繰り返していた。



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