ポコミちゃんと楽しそうにしているところを見て、心臓がずきりと痛んだ。
誰にでも遠慮のない、そんな首領パッチくんだから好きになったのに。一体なんだというのだろう、私は。
嫉妬、の2文字が頭に浮かんで、私はそれを振り払うように慌てて首を振った。そんな醜い思考を頭に留めておきたくなかった。そんなことを思いながら、私は転がっていた丸太に座って2人をぼんやりと眺めている。
突然、首領パッチくんが私のほうを振り向いた。太陽みたいに眩しい笑顔で、私に向かって手を振っている。そんな彼に、にこりとも返さず、私はそっぽを向いた。そんな自分を、なんて嫌な奴だろう、と心の中で嫌悪しながら。
ぱたぱたと誰かの駆けてくる音が聞こえた。わざわざ確認しなくたって、それが誰かなんてわかり切っている。
「よー、なまえー、どうしたんだよ?」
ちらっと目だけで首領パッチくんを見て、私はまた視線を逸らした。その視線の先では、へっくんの修行に付き合うボーボボと、それを微笑みながら見ているビュティちゃんがいる。ビュティちゃんみたいに素直になれたらどんなにかいいだろう、そんなことを思って泣きそうになった。
あれ、もしかしてお前、首領パッチくんは私の顔を覗き込み、きょとんとした顔で首をかしげる。
「拗ねてんのか?」
ぴったりと言い当てられて、私は首領パッチくんの顔をまじまじと見る。もちろん図星だ。いい歳して子どもみたいに拗ねてるなんて……、決まりの悪い私はまた顔を背けた。そのくせ私の口は、拗ねてません、と強がりを吐き出す。
「お前ってホント強情な」
ため息をつかれて、なにか反論しようと口を開けたとき、頭に軽い重力を感じた。びっくりして振り向くと、首領パッチくんの手が私の頭に伸びている。私がなにも言えないでいると、今度はぽんぽんと頭を軽く叩かれた。
「あんま意地はってっと愛想尽かしちまうぞ」
「え、」
「寂しいって言えば、お前んとこ行ってやっからよ」
首領パッチくんって、マキさんの前だと真面目でカッコいいよね。いつだったか、ビュティちゃんが笑いながらそんなことを言っていたのを思い出す。
私はもうどうしようもなくうれしくなって、精一杯の力で首領パッチくんを抱きしめた。ちょっと力を込めすぎたみたいで、彼は、苦しい、死ぬ死ぬ!! と、私の腕の中で抗議の声を上げる。私は慌てて腕の力を緩めると、首領パッチくんに気づかれないようにくすっと笑った。