「ねえ、ちょっと聞いてよとっつぁん。僕ってば、最近ずっとナマエのことばっかり考えちゃってさ……。今なにしてるんだろう、とか、誰と一緒にいるんだろう、とか、寂しくて泣いてないかな、とか、”タバコ”っていうやつあんまり吸ってないといいけど、とか、お酒もあんまり飲まないでほしいなあ、とか、今度の非番の日は僕と一緒にでかけてくれるかな、とか、ドライブするならどこがいいのかな、とか、海が好きって言ってたから、海に行ったら喜んでくれるかな、とか、笑ってくれるといいな、とか、抱きしめてくれたらうれしいな、とか、きれいな髪をなでてあげたいな、とか、”大好き”って言ってほしいな、とか……、なんかもうそんなことばっか考えちゃうんだよ!どうしよう、僕の回路どっかおかしいのかな?!」
溜まりに溜まっていた心配事からなにから、僕は頭を空っぽにする勢いで全部吐き出した。穏やかな顔で聞いていたラチェットは、
「そりゃあ、”恋”っちゅーもんやが」
と、おかしくてたまらないというように笑いだして、目を瞬かせる僕に病名の診断を下した。