再び安全圏である部屋を出て、リビングの食卓テーブルで向かい合って座る。

「ところでそのレコーダーどうしたの?」

「冷蔵庫の中に入ってました」

「へ?」

私はキョトンと少し首をかしげる。

「冷蔵庫はともかくとして……こんな機種は見たことないんですよね…」

「でもメーカーはSKMZって」

「ええ、でもこんな機種は出てないんです。正確には、これと似た機種は現行品であるんですけど……型番からいって、おそらく未来の機材ではないかと思うのです」



「…神様はここには時間がないって言ってましたよね。つまり、これは私たちのどちらかが、未来において所持するもの…」

「はっ!ということは……昔のすくみず!」

そしてすくみずPさんはそっと魔法の冷蔵庫に向かい、さっと手を入れる。

「おおー出ましたよ!!!」

そこには胸のゼッケンに 2−1 斑石 ○○ と書かれたすくみず。

「小学生の頃の水着、、これですか?この小ささがまた良い!可愛い!あぁ、この頃に会いたかった、、、!」

私はバン!と机に拳を叩きつける。

「真面目にやらんかいっ!」

私はちゃぶ台をひっくり返す勢いですくみずさんを睨みつける。

「そんな睨みつけなくても…。取り敢えず落ち着いて一旦座りましょう。未来のボイスレコーダーが取り出せると言う事は、食べ物だけでないものも取り出せる、という事です」

この後、日が暮れるまで色々と試すことにした。取り出せるものは自分達が現在、過去、未来において所持しているもののみ引き出せる、と言うことが分かった。また、洗濯機等そのもの自体が大き過ぎて二人で運べそうに無いもの、銃等どう見ても必要としないものは引き出せないという事も発覚したのだった。