一通り色んな物を出していくうちにリビングは物で埋まってしまった。食器や文具などの日用品はもちろんのこと、電化製品や家具類、あろうことかペットまで、そしてもちろん楽器の数々がリビングにあふれている。
私達は置き場がなくなるまで出し続けたのだった。

ソファーには猫が寝ている。

「これ、どうしよう?」

「出した以上、もう一度入れるしかないですね。あ、でもギターは仕舞わないでください。使いたいので」

すくみずさんは周りを見渡したあと、冷蔵庫から取り出したトイプードルとダルメシアンを同時に撫でながらこちらに向かい話しかけてきた。

相槌を打ったあと、二人は冷蔵庫の扉を開け放ち、もくもくと物品を詰め込んでいく。やだこれ、電気代がバカにならないわ、と一瞬思ったが、すぐに考えるのをやめた。

物品を全部しまうと、犬と猫は自分たちで冷蔵庫の中に消えて行き、扉はバタンと閉じられた。
最後に私の足元には、1羽のウサギだけが残された。