〇月×日
妻が男を作り出ていった。
あんな女など、“妻”ではない
男は娘のために、理想の、完璧な妻を“作り”続ける。
〇月×日
娘は病弱で、脚も悪く、ベッドに寝たきりの生活を送っている。
時々絵本を読むらしいが、私が作った妻とは一言も会話をしない。…ただ、窓の外をじっと見つめるだけ。
…また失敗か
部品を調達して、新たに作り直さなくては。
すべては娘のために。
〇月×日
時々部屋から話し声が聞こえる。
娘が妻と会話してるのだろうか。それにしては…
〇月×日
まただ。また失敗だ。
何故成功しない?
私の設計は完璧なはずだ。
なのになぜ…
身体が 足りない。
〇月×日
〇月×日
〇月×日
…娘が死んだ。
娘が、死んだ?
そんなはずはない。
だって娘は、私の子なのだから。
“私と同じ”、“完璧”なのだから。
ではこの骸はなんだ?
…
そうか、わかったぞ。
これもまた、失敗作なのか
――なら、妻と同じように、娘もまた“作ればいい”。
肉を分けなければ。