09

あの後、私が落ち着いたのを見届けてから、琥春ねぇは心配そうに帰っていった。何でも、お仕事を残してきたらしい。心配ないよ、と笑って言えば、何とも言えない表情をされた。

それが昨日の話。


今朝は早めに起きてご飯を食べ、職員室で色々と説明された。すれ違う生徒は皆二度見をして見るものだから、居心地が悪い。
星月学園の制服に身を包んだ私は、何処か変な気がしたけど、一週間もすれば慣れるだろうか。


「紅染珠です。これから、よろしくお願いします」


教壇に立って短く自己紹介をすれば、教室が色めき立った。この男子だけのむわっとした教室の空気は、当分慣れない気がするんだけど。


「じゃあ、紅染の席はあそこな」


そう言って担任の先生が指した方を見れば、隣は綺麗な桃色の髪の毛の男の子。席は窓際と言う素晴らしい位置だ。先生ありがとう!


「青空颯斗です。紅染さんよろしくお願いします」
「うん、青空くんよろしく。敬語じゃなくてもいいよ?」
「あ、これは癖みたいなものなので…」


席に着けば隣の男の子に声をかけられたので、挨拶をする。敬語が気になったので言えば、青空くんは少し哀しそうに笑いながら癖だと言った。上品で女の子みたいだな、この男の子。


「先生!俺も新しいクラスメイトと話したいんですけどいいですか!」
「そうだな…残りの時間は、好きにしていいぞ。ただし騒ぎすぎるなよ」
「「「よっしゃぁ!」」」


青空くんとお話しながら笑顔にほのぼのしていると、急に声が上がり自由時間となった。
視線を感じたので周りを伺えば、凄いギラギラした目をしたクラスメート達が此方を睨んでいたのは、気付かなかったことにしたい。いやまじで。


「青空くん、逃げるのはありかな?」
「交流すれば良いと思いますよ。折角ですし」


ギラギラしすぎて怖いよ、とは声に出せず、へらりと笑えば皆に目を逸らされる。え。どんだけ免疫ないんだこの子ら。
視界の端に動くものが見えたので、窓の外に目をやれば、銀色の髪の毛の男の子が、慌てた様子で走っているのが見えた。新学期早々、遅刻だよ君。

そんな中、青空くんの前の席の男の子が声をかけてくれた。


「紅染、よろしくな。俺は犬飼って言うんだ」
「うん、犬飼くんよろしく」


男の子は、これまた綺麗な緑色の毛色をした断髪をしていた。眼鏡をしているのに、チャラ眼鏡に見えるのはこの子の雰囲気のせいだろうか。


「犬飼だけずりぃよ。紅染さん、俺は柏木て言うんだ。よろしくな」
「あ、俺も。俺は田口な」


犬飼くんが声をかけたことで、緊張が解けたのか一斉に自己紹介をされる。クラス全員の名前覚えれるかどうか、不安になってきた。

結局、先生が注意したことはみんな忘れて、騒ぎすぎてしまい隣のクラスの先生に怒られました。




目を開けて、飛び込む世界
(いいクラスでよかった)