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最近、ずっと同じ夢を見る。


「虹の梺には宝箱がある」なんて言葉を正直に信じた私はなんの迷いもなく、澄み切った空の下、延々と逃げる虹を追いかけている。そんな夢。
一体、誰にそんなことを言われたのかは忘れてしまった。どうして宝箱を開けたがるのかもわからない。でも、夢の中の私は、虹を一生懸命に追いかけていた。

もし、それが現実の話なら。
いくら追いかけても虹には追いつくことなど出来ず、虹は私が走るのと同じ速さで離れていくだろう。
でも。
夢だったから。夢の中だったために、日に日に虹との距離は近くなっていた。
どこか不思議な感じはしたけれど、私は特に気にすることもなく走った。
なぜか急いでたどり着かないといけないような気がしていた。どうしようもなく走った。


..........


そして、とうとう虹の梺にたどり着いたのは、夢を見始めてから何ヶ月経った時だったろうか。
虹と地面の間には、うすぼんやりと霞がかかっていて、どうやって虹が生えてきているのかはよくわからなくなっていた。人間、想像できないことは見えないらしい。
見上げれば、人が一人通ることができるかどうかの虹のアーチ。
最初に見たときより縮んでしまったかのようなそれに、どうなっているのか好奇心を抑えられず手を触れたとき、頭上から盛大なファンファーレが鳴り響いた。びっくりして手を離してみるが、音は鳴り止むことなく響く。

すると何もなかったはずの虹の向こう側に段々と光が灯り、私が走ってきたこちら側の景色が消えていく。びっくりして目を見開いても段々と視界は霞んで行く。
あぁ、夢が覚めるのかもしれない。そう理解したとき、遠くで誰かが私の名前を呼ぶ声が響いたような気がした。