4、相合い傘

次の日。
今日もずっと雨だった。



「傘…無いと帰れないか…」



私が今いるのは駅…

透明のビニール傘だったからかな…気づいたら傘立てになかった…



「はぁっ…水樹…」



なんとなく浮かんだのは彼のこと

私がわがまますぎるのかな…



「ルキ」



水樹の声…

気のせいだよね…



「ルキ?」



なんて思ってたら腕をつかまれた…

あ…水樹…

本当にいたんだ…



「ごめん…気づかなかった」



「うん…あのルキ…昨日は、ごめん」



そう言いながら差し出されたのは、細みのかわいらしい傘



「だって、ルキ泣いてたから…どうしたら笑ってくれるのか考えて…それで…」



「……っ…水樹!」



私は嬉しくて水樹に抱きついた


そんなあなたを愛しています
















雨の降る帰り道。
1つの傘に仲むつまじく入る2つの影…。

「ルキ、好きだよ」

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