01

次の日の朝、優雅は1人で学校に来た。
1年3組の教室の中に入ると席にシンヤがいて、おはよと声をかけてきた。

「ああ…」

生返事な優雅。

「どうした?何かあったのか?」

シンヤには、冗談やからかいがなく真面目に言ってきた。

「真希が……」

席に座り、鞄を置くと昨日あったことをシンヤに話す。

―――――――
昨日の夕方、真希の家のリビング。

「あの、おばさん真希は…?」

真希の母親こと、満姫はいつもと変わらない様子で話す。

「ごめんね優雅くん。真希ったら体調悪いからって先に帰って来るなんて…」

「今、真希は…」

「寝てるわ風邪ね きっと明日も休みね」

―――――――


「それで話しは終わったんだ…」

「…それで、何が原因なんだ?今の話だと、お前がそんなになるわけないだろ」

シンヤは、優雅の机に肘をつきながら言う。

「わかってる…おばさんの話だと真希は風邪で寝てることは……でも、何か違う気がするんだ…何か俺は・・・」

両手で頭を抱えている優雅。

「いったい何だって言うんだよ」

頭の良いシンヤですら今の優雅が解らない。










優雅side
何でなんだ…ただ、真希は体調が悪くて学校休んでるだけだろ?
ただそれだけのことだろ?
何で、何で..こんなに不安なんだ…俺は、いったい何を………










真希side
これで、よかったのかな…あのときみたいに優雅は泣いたりしない?自分を責めないでいてくれる?
優雅が笑っていてくれれば……それでいいの…
だって、もう…私は・・・・・














夜。優雅の部屋。
ベッドで天井を見ながら寝転がっている優雅。

「…真希…」

真希の名前をずっと呟いている。

『……………』

何か音?声?がする。何なのか分からないのに、優雅の頭に真希が浮かぶ。

「真希!?」

勢い良くベッドから飛び起きてまわりを見回す優雅。

「いるわけ、ないよな…」

もちろん真希の姿はどこにもない。
右手で頭をかきむしる優雅。すごく哀しい表情をしている。

「真希…」



[ 11/25 ]
[*prev] [next#]
[戻る]