01

季節は夏。
晴れわたった空の下、セミの鳴き声が響いている。
高校の屋上。日陰で昼寝をしている少年。

「……………」

そこへ屋上のドアが開き顔を覗かせる少女。
少年を見つけて駆け寄っていく。

「優雅先輩!また授業サボったんですか?」

少女に“優雅先輩”と呼ばれた少年は起きない。

「…しかたないな...優雅…」

少女は、少年をいとおしそうに見つめる。

「ありがとう..優雅…私とおなじことを願ってくれて・・・・・」

少女は、そう言うと…そっと少年の唇にキスをする。

「……!?///」

少年は、少女の頭に右手を回して押さえた。
起きたのだろうか…?
少女は、抵抗して離れようとする。
…少しすると、少年は少女を解放する。

「…ッ…///」

少女の顔は、すごく赤い。

「何やってんのかな?真希ちゃん」

楽しそうにからかう少年。

「……………」

少年に“真希”と呼ばれた少女は、悔しそうに少年を睨み付ける。

「睨んでも、可愛いだけだよ…真希」

少年は、少女の耳元で囁いた。

「カァッ///」

固まってしまう少女。
そんな少女をいきなり抱きしめる少年。

「ぇ?…ちょっと・・・」

慌てる少女。
少年の腕に力が入る。



「…もう、はなさないから・・・」


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