01

高校。
窓から夕日が差し込んでいる、1年5組の教室。

「ねぇ、真希!聞いてる?」

少し怒り気味に真希を呼ぶのは、レイナだ。

「…ぁ、ごめん ぼーっとしてた」

そう答えるのは真希だ。

「最近いつもそう…」


心配そうなレイナ。
そんなことないよと返す真希。

「真希!帰るんだろ?」

そんな所へ廊下から、優雅が真希を呼ぶ。

「彼氏のご登場ね」

楽しそうにレイナは言う。

「違うのに…」

軽く否定する真希。
優雅の事でレイナにからかわれるのは、いつもの事だ。何度も彼氏じゃないと否定するが、レイナが聞いてくれないので諦めた。

「いつも否定ね」

レイナは、優雅に言う。

「うるせーよ」

このやり取りもいつもの事だ。真希は、机の上の鞄を指差して優雅に言う。

「私の鞄持って!」

「わかってるよ」

優雅は、真希の所に行って鞄を持つ。

「タイミングといい、嫉妬じゃない?」

レイナは、ケータイを開きながら言った。

「ちがう!!」

真っ先に否定する真希。

「まぁ、今日もこの辺にしといてあげる」

レイナは、鞄を持ってまた明日と教室を出ていく。

「あれは、シンヤからだな」

「たぶん…いや、絶対!」

レイナも解りやすいということかな?
















帰り道。真希と優雅が2人並んで歩いている。

「なぁ、真希」

「なに?」

突然に真面目な表情になる優雅。

「お前……」

「あ!見たいテレビあったんだった!」

真希は、真面目な優雅を無視していきなり、大きな声を出すとそのまま走って行ってしまう。

「おい、ちょっと待てよ」

真希の突然の行動についていけなかった優雅。











真希side
優雅、何であんな表情するの?
まさか、あの優雅にバレたなんてことないよね?
だって私は、まだ………












優雅side
真希のやつ…何で、逃げた?
見たいテレビなんてこの時間に無いだろ……お前のことは、わかってるつもりだけど俺もまだ駄目だな…
何か、したか?


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