溜息の色
たまの休みくらい、彼女のそばにいたい。
あわよくば、愛を育みあいたい。なんて、期待をしていなかったと言えば嘘になるけれど、だからと言って期待外れどころか拒否をされるなんて、誰が思ってもみるだろうか。
「重い暑苦しいはーなーれーろ〜〜」
「いーじゃん、どーせまた何日かしたら俺と会えなくなるんだよ?!寂しいでしょ?哀しいでしょ?!」
ベッドの上で彼女にべったりと抱きつきながらそうまくし立てれば、僅かながら怯んだなまえは一瞬考えるような素振りをみせる。けれどすぐに眉を顰めて、じろりと睨むように俺を見つめた。
「それとこれとは別」
「ケチ!!じゃあちゅーしよ」
「なんで」
「イチャイチャしたいから」
「やだよ」
明確な拒否に思わずムッときた俺は、わざとらしくため息を吐いた。少し距離をとって、先ほどのなまえのようにじろりと彼女を睨む。
「なまえは恋人として俺と何かしたいとか思わないの?!」
「え‥‥」
「え、何その顔、まさか無いとか言う‥?」
「‥‥‥‥て」
「て?」
あまりにもか細い声に思わず聞き返すと、顔を下に向けていたなまえは、少しだけ俺の方は視線を動かしながら、真っ赤な顔でこう言った。
「‥‥‥‥‥手なら、繋ぎたい」
「‥‥‥」
あまりのいじらしさに俺はそのまま倒れ込んで枕に顔を埋めた。わざとでもなんでもなく心の底から盛大なため息を吐いたけど、別にため息を吐いたからって幸せは逃げないどころか、倍増してる気がする。おそるおそる伸ばされた手をガッチリと掴んでから、俺はもう一度、幸せのため息を吐いた。