03
「なんだ?また寝てないのか?」「メローネが帰ってこないんだもん…」
目の下にクマができている私を見て、怪訝そうな顔をしたイルーゾォ。ふかふかしてそうに見えるその服装に反して、彼の膝の寝心地もあまり良くない。まあそもそも、イルーゾォはあんまり膝貸してくれないんだけど。
「おまえのその寝つきの悪さ、どうにかならねえのか?そんな調子じゃあいつかぶっ倒れるだろ」
「どうにかなったら苦労しないよ〜……」
私の仕事が終わるタイミングと、メローネの仕事が始まるタイミングがうまい具合にずれてしまい、メローネとは2日も会っていないのだ。しかも私が帰ってきたタイミングでメローネは出て行ってしまったから、3日は寝てない。そのうえ、私のスタンドは使用後の眠気がひどい。なのに、体質で眠れない。地獄だ。一応メローネのベッドでなら眠れるかなと思ったけど、やはり本人が居ないとダメだった。
「イルーゾォ…鏡の世界って眠気置いてけるかなあ……」
「そんなくだらねーことにこのオレのマン・イン・ザ・ミラーを使えるかッ!」
「だよね……」
断られるとわかってはいたけど、思考力が著しく低下しているのでつい口から出てしまった。いっそ任務が長引いて緊張状態だったら、無理矢理乗り切れるんだけどなあ。
私の任務は基本的に『対象との
ーーつまり、今回も特に緊張する場面もなく眠くなって終わってしまったのだった。
「せめてメローネにスタンド使えたらなあ……居場所探すのに……」
「悪趣味なこと言うなよ……」
見知らぬ他人にしか使えないので無理なんだけど、と言葉にする前に、遠くで鍵の開く音がした。
この歩き方は。靴の鳴る音は。ソファを飛び降りてダッシュで音の主の元へ向かう。
「メローネ!!!」
「なまえ」
メローネの腕の中に飛び込んだ瞬間に、なまえは寝息をたて始めた。
「まさかもう寝たのか?」
「ああ、眠かったんだろうな」
「…やれやれ、困ったガキがいたもんだな」
イルーゾォに子供扱いをされているのも聴こえず、夢の中に入っていったなまえ。彼女を抱えたまま後処理をこなしたメローネは、なまえごとベッドに向かうのだった。