04
静かな部屋に、リゾットだけが一人座っていた。見ているのはメローネから定期的に受け取っているなまえの睡眠状況の報告書だ。「なまえの奴、寝始めてもう丸一日だぜ。甘やかし過ぎじゃあねーか?」
そこへぬるりと鏡から出てきたイルーゾォが現れ、リゾットは微動だにせず視線だけを彼の方へやった。
「見てきたのか」
「一瞬だけな。じろじろ見られてもメローネの奴もいい気はしないだろう」
メローネは起きてたしな、と付け加えると、リゾットは「そうか」と呟いてまた資料に視線を戻した。
確かに彼女の睡眠時間は痛手だ。彼女のスタンドの情報収集力は重宝しているし、チームにとって戦力の一つではあるが、いかんせんデメリットが大きい。眠くなるだけであればなまえ一人の問題で済む。しかし、彼女はメローネがいなければ眠ることができず、そしてメローネもまた、彼女を優先することを望んでいる。結果、メローネの時間が拘束されやすくなってしまう。これが最大の問題であった。
「面倒なスタンド能力だな」
「だがそんな彼女のおかげで楽にすんだこともあっただろう、適材適所だ」
「ふん…」
リゾットにそう宥められ反論の余地もないと不機嫌になりながら、イルーゾォもまたなまえの資料を手に取る。
「別に、もっとなまえに厳しくしろという話じゃあない」
なまえの姿を思い浮かべるイルーゾォ。彼女は確かにメローネを頼っている。だがそこに依存は感じられなかった。感じられるとするならば、
「……あれじゃあメローネの負担が大きすぎる」
「…………」
態度には出さないが、その声色からはツンとしたものは見受けられない。イルーゾォは、リゾットと同じく、同じチームで戦う仲間として、二人のことを心配していたのだった。