01 暗闇の中から
「──あれ、画面固まった?」
スグリくんが恐れ穴に入ろうとしてすぐ、真っ暗な画面で固まってしまった。
どのボタンを押してもうんともすんとも言わないし、なんならホームボタンを押してもホーム画面に戻らない。
まさかまだクリアしてないのに故障──とまで考えて、まだ再起動が残っていると思い直す。
大丈夫、絶対大丈夫のはず!そう思って電源ボタンに手をかけようとした、
「あ、あれ?なまえ…?」
スグリくんの声がした!やっぱり壊れてなかったんだ!!よかった〜修理出してそんなに経ってないはずだし、ちょっと読み込みが重かっただけだったのかな? ……ん?いや、待った。
「エ゛!?!?!?ちょっ、まって今音声ついてなかった?てか名前呼ばれなかった?!」
「お、おーい……」
「本体から鳴ってなくない…?え?生きてる…?」
ガタ、と押し入れの襖が犇いた。わっ!と私が驚くと同時に、襖の奥でも悲鳴が上がる。
「わぎゃ!」
どさりと尻餅をつくような音。
……どう考えても押入れの中に人間がいる。
そして、私の考えが間違えでなければ、妄想甚だしい私の勘違いでなければ。
「……スグリ?」
「!! ……え、あれ……なまえ……?」
襖を開けると、つい先程まで画面の中で見ていたはずのスグリくんが、私の部屋の押し入れで尻餅をついていた。