「‥おかしい!」

私は机の上に突っ伏しながら、沢村くんの席を見つめた。沢村くんの席は今誰も座っていない。

沢村くんは今朝話して以降毎時間のように教室から居なくなっていて、授業中によくあった目があうだとかこっそり話したりだとかが一切無かった。
‥‥今までが自意識過剰だと言えば、それまでだけれど。

避けられているのだろうか。
ということは、私の告白はやっぱり迷惑だった?でも、沢村くんならきっともしそうならごめんと正直にそう言ってくれそうなものだ。私と友達じゃ無くなるのは寂しいと言ってくれた沢村くんの気持ちは、きっと嘘じゃないと思う。思う、けれど。

思考回路はどんどんと良くない方向へ向かっていく。沢村くんならきっと、沢村くんに限って、なんて言葉を並べているけれどこれは所詮私の理想と都合でしかない。

チャイムが鳴り終わると同時に猛ダッシュで教室へ駆け込んできた沢村くんを呆然と見つめていると、沢村くんは照れくさそうに笑った。か、かわいい‥‥!

「ギリギリセーフ、だよな!」
「先生来てなくて助かったね?」
「な!春っちの言うこと聞いといてよかった〜‥」
「春っち?」

教室を移動していた原因かもしれないと思わず繰り返してしまうと、沢村くんは勘違いしたのか春市だから春っち!とあだ名の説明をしてくれた。

「毎時間春っち‥くんのところに行ってたの?」
「おう、そうだぞ!」
「そ、そっか‥‥‥!!」

あからさまに安心しきる私を不思議な表情で見つめながら、沢村くんはゆっくりと黒板の方を向くのだった。
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