「あ、藤代ー!また明日ねー!」



前から変だとは思っていた。
最近俺には先輩がキラキラして見えるんだ。
今までキラキラしてなかったといえば嘘になるけど、それでも前よりももっと、もっと、綺麗だ。









「花先輩、」
「ん?」


真っ青な空の下、太陽の光を浴びながら振り返る先輩はやっぱり輝いていて。
それは決して熱をもたらす光星のせいではなく、けれどそれに匹敵するくらい眩しかった。




ふいにぽつりと何かが自分の中で音を立てた。
何か、の正体はたぶん。





「俺、花先輩のこと好き…っす」




柄にもなく消え入りそうな音量で呟いた声は一瞬にして視界の端々に映る青に吸い込まれた。
聞こえただろうか。
今の気持ちにそぐわない空気に吸収された声は消える前に届いたのだろうか。



先輩の笑顔が固まった。
かと思うとみるみる困惑の表情へと変わり、そして段々と赤みを増していく。
ああ、今度は俺が笑顔になる番だ。




キラキラしてたのは紛れも無く
先輩であり、
太陽であり、
そしてこの気持ちだった。













キラキラ
(この気持ちを恋と呼ばずになんと呼ぼう)