新一くん(仮)とのファーストコンタクトから数時間。
真夜中なのにお腹が空いたので申し訳ないなと思いながらもママンを呼ぼうと泣こうとしたら、なんか色々ボロボロって言葉がよく当てはまる男の人に抱き上げられた。
「夏希!!やっと会えた!!」
ちょ、誰だ!やめて、髭痛い!
赤ん坊の肌は敏感なんだよ!?
不安も驚きも大抵の感情が泣く事に繋がる赤ん坊。
私も中身はともかく身体は赤ん坊なので当然意思とは反して涙が出てきた。
「ふぇえあああああ」
「優作!!!」
え、嘘、パパン?
私の泣き声で起きたママンが今現在抱っこしてる人を怒った。
のはいいんだけど、え、この人パパン?
おかしいな、工藤優作ってもっとダンディーなおじ様じゃなかったっけ?
びっくりして涙も引っ込んだよ。
ママンの腕の中に戻って一息。
女の人のが安心するのはなんでだろうね。
柔らかいからかな。
「なっちゃん、びっくりしちゃったのね〜」
「ごめんよ、夏希」
明るくなった室内でパパンの顔を見ると確かにボロボロだけど工藤優作(仮)だ。
仕事終わってそのまま来たのかな
あ、ママンごはんちょーだい
忘れてたけど私お腹空いたよ
そんな気持ちを込めてママンをジッと見つめると、母親ってすごいね。
すぐに察してくれた。
「夏希、パパと一緒に待ってような」
あいよー。私はちゃんと泣かずに待てるよ。
さっきはびっくりしたけど、パパンも抱っこ上手なんだね。
「あぁ、娘可愛い…」
パパン、顔がデレデレだよ。
それでもイケメンってずるいね。
あと家にいたら娘を構い倒して仕事しないでしょうってホテルに缶詰になってた、酷いと思わないか、って私に聞いてどうするの
私は編集の人が正しいと思う。
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「なっちゃん昨日泣いてた」
翌朝、眠そうに新一くん(仮)がそう言うから起こしてごめんねって気持ちになった。
でもあれはパパンが悪いんだよ