Lucky 7 扉を蹴破る人がいた。 人見知りの自分に発破を掛ける、乱暴で粗雑な天才医師が。人を食ったように笑う、性別不明の助手が。光のない世界に、強引で明るい光を灯してくれた。 扉を蹴破る人がいた。 人見知りの自分を必要だと手を差し伸べてくれた。その知識が人々を救うと笑ってくれた。そんな言葉、今まで聞いたこともなかった。 扉を蹴破る人がいた。 人見知りでいいと、それも個性だと言ってくれた。もしそれが嫌ならば徐々に克服していけばいいと言ってくれた。 扉を蹴破る人がいた。 本が散乱した部屋に、ふたりは足を踏み入れてくれた。何もすることがない世界の中、僅かな希望を夢見て育てた薬草を褒めてくれた。 扉を蹴破る人がいた。 隙間風が冷たい。冷たいなんて言葉を使ったのも、久し振りな気がする。すっと立ち上がってふたりの手を掴んだ。この知識が、少しでも誰かの役に立つならと。 扉を蹴破る人がいた。 扉を蹴破る人がいた。 心の扉を、蹴破る人が、いた。 |