Lucky 7



*琴音さん宅歌奈ちゃん(★チルタリス♀)お借りしました



多少なりとも変人の自覚はあった。周りに合わせる気がないとも言われたこともある。だから何だと軽く突っぱねたが。
世の中を真面目に生きると面倒だと言ったのは誰だったか。そんな言葉に倣う気はないが、知らぬ振りをするほど愚かでもない。
要は、楽しんだもの勝ちなのだ。楽しんで、楽しみ抜いて、そうやって生きる。人生とは短いのだから、今を全力で謳歌するのが最適解なのだろう。

「聞いてる?」
「うん、ばっちり聞いてる」

けれど、彼女のお願いを受け入れることは出来ない。後ろから抱き着いたまま離れる気配すらないインディゴの耳に届くのは大きな溜息。そんな風にやっても嫌じゃないでしょ、なんて勝ち誇った顔をしても彼女には見えないのが絶好のポイントだ。
かーなー、と甘えた声で彼女の髪に顔を埋めて鼻をぐりぐりと擦り付ける。ほんのり香るシャンプーの甘い匂いにくらくらと酔い、思わずほうっと吐息を漏らす。くすぐったいのか彼女の体がもぞもぞと左右に揺れた。

「恥ずかしい」
「なんで? おれたち恋人でしょ?」
「そうだけど」

けど恥ずかしい、なんて消え入りそうな可愛い声で言われてしまっては心臓が保たない。どくどくと激しい音を立てる心臓に気付かれないように祈り、少し頭を動かしてほっそりとした彼女のうなじに唇を押し当てる。
驚きに息を呑む声が一瞬聴こえて、唇だけで笑って見せる。勿論、彼女には見えていないのだが。

「おれ、歌奈のこと死ぬほど愛してるから。誰かに盗られないようにマーキング」

じゅっと音を立てて吸い上げた赤い鬱血痕を愛おしげに撫で、今度は声を出して笑う。

「……どこで覚えたの、そんなの」
「んー……」

耳まで真っ赤になった彼女の顔を見れない今の状態が、今更ながら残念だと思い答えを探す。しかし少しの後、インディゴは甘く蕩けそうな声色で静かに歌奈の耳元で囁いた。

「ひみつ」




Lucky 7